アラサーがVTuberになった話。【ラノベ感想】

2023年1月31日

アラサーがVTuberになった話。
著:とくめい
イラスト:カラスBTK
出版:KADOKAWAの新文芸

  アラサーがVTuberになった話。

アマゾンのあらすじより

祝、収益化!

過労死寸前でブラック企業を退職したアラサーの私は気づけば妹に唆されるままにバーチャルタレント企業『あんだーらいぶ』所属のVTuber神坂怜となっていた。「VTuberのことはよくわからないけど精一杯頑張るぞ!」と思っていたのもつかの間、女性ばかりの『あんだーらいぶ』の中では男性Vというだけで視聴者から叩かれてしまう。しかもデビュー2日目には同期がやらかし炎上&解雇の大騒動に! 果たしてアンチばかりのアラサーVに未来はあるのか!? ……まあ、過労死するよりは平気かも?

感想

このところVTuberをテーマにした作品を見かけるようになりました。夏鎖さんのブログで取り上げられていて、気になったので読んでみました。
私はVTuberのことを全然知らなくて、ファンタジアからでているVTuberものを読んでたくらいの予備知識です。そんなこともあって新鮮で面白かったです。箱に人気がつくとかってそういう意味なんですね。

さてブラック企業勤務の社畜が、VTuberとなるのお話です。といってもVTuberに転身して、一気に無双する感じじゃないのも個人的に好きなところです。派手じゃないけど応援したくなる雰囲気の主人公です。

この主人公って当人に無関係なネタで炎上しても、社畜時代のことを思い出したら何でもないと強メンタルなんです。それで全然フォロワーが増えなくても、配信に低評価がつきまくっても凹みません。むしろ数少ない視聴者を前にして、こんなに応援してくれる人がいて嬉しいと感じてしまうタイプです。ホント社畜時代にどれだけ辛い環境にいたのかと気の毒になりますよ。
そんな主人公が妹ちゃんと楽しそうに暮らし、VTuberとして周囲から求められていくようになる姿に癒されました。

 

ちなみに妹ちゃんとは、主人公のリアル妹です。でも本名不明でイラストの人物紹介も「妹ちゃん」となっています。
そして主人公と妹は、どうみてもシスコン ⇔ ブラコンです。妹ちゃんにいたっては、主人公のVTuber活動を全力推しして、読者目線だとどうみてもブラコンです。にもかかわらず妹ちゃん目線だと「ブラコンじゃないし」という素直じゃない様子で楽しかったです。

 

実は主人公って基礎スペックは高いですし、社会人としても常識と配慮をもっていて後輩になつかれたり、VTuber事務所のメンバーから頼られると活躍のシーンは多いです。イケメンボイス で高スペック、それに対して弱点は、配信が面白くないのとフォロワーが少ないことだけです。
まぁその弱点がVTuber的には致命的……というところで、そこは作中でなんどもイジられています。
けどまぁ主人公はものすごく楽しそうに配信しているで、あんまり気にしないでいいのかもしれませんね。

ちなみにストーリーと交互になるように、掲示板式のページが入ってくる構成になってます。MMOもののラノベでおなじみの匿名掲示板を再現したページです。この掲示板が結構な頻度で入ってきて特徴的なページ構成となっています。

 

今まで知らなかったVTuberの世界をちょっと知ることができました。イラストレーターさんとかコラボ相手とか、そう繋がりになるんですね。
楽しいお話でした。

アラサーがVTuberになった話。
とくめい
KADOKAWA
2022-09-30



 

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