あたしメリーさん。いま異世界にいるの……。【ラノベ感想】

2023年1月10日

あたしメリーさん。いま異世界にいるの……。
著:佐崎一路
イラスト:希望つばめ
出版:モーニングスターブックス
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アマゾンのあらすじより

ポンコツ幼女、異世界で奮戦中!! なの!

都内の大学に入学した『俺』は、実家を離れ、埼玉の格安アパートでひとり暮らしを始めることに。都会(?)生活初日、スマホにかかってきた電話に出ると、聞こえてきたのは幼い女の子の声。「もしもし。あたしメリーさん。いまゴミ捨て場にいるの……」。そのとき、アパートの前から変な祈りの声が響いて、メリーさんが異世界に転移!?

感想

怒濤のネタの数々でツッコんでもツッコんでも追いつきません。エンタメ特化で面白かったです。
表紙イラストの少女は、都市伝説にある「メリーさんの電話」のメリーさんです。上京したときに捨てた人形がメリーさんとなって電話をかけてくるが、1話目の内容です。とはいえ本作はコメディーなのでメリーさんは早々に異世界に転移しちゃいます。でメリーさんが巻き起こすトンデモ異世界生活を、電話越しに聞いていくストーリーです。基本的に異世界の定番やお約束は外して、明後日の行動やメタネタ・楽屋落ちなどを楽しくみせてくれる作品です。
電話でボケ倒した結果を聞かされて延々と突っ込みまくるのは新鮮でした。またweb投稿作品の特徴が作風と上手くかみ合っていて、回が変わる毎にいきなり異世界の場面や展開されるテーマが切り替わっても電話で「ということがあった」と聞かされて自然と頭に入ってきます。物語のフォーマットが秀一だと感じました。
 
話が進むとメリーさんがいる異世界だけでなく、主人公がいる日本のアパートが特異点になって地縛霊・(推定)宇宙人・厨二などに囲まれます。異世界と日本の2本立てでツッコミだらけのボケちらかしで突っ走ってくれます。笑って楽しんでもらおうって作者の思いが伝わってきました。
 
出でくるネタはかなり広範囲で、元ネタに対するフォローを入れないことも多々あります。イメージ的に「かめはめ波」「二重の極み」「アバンストラッシュ」の練習をしたことがあるover30を対象としていそうです。元ネタ探しに自信がある方はトライしてみるのも良いと思います。
濃いネタに明るいオタ友と深夜のファミレスでバカ話をしていたのに近いかもなぁと感じました。
 
テンポが良いコメディーで読みやすい展開なので、ラノベを読み慣れた方にオススメです。
 
 
 
 

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