バレットコード:ファイアウォール【ラノベ感想】

2023年1月11日

バレットコード:ファイアウォール 
著:斉藤 すず
イラスト:緜
出版:電撃文庫
  9784049133134
 

アマゾンのあらすじより

これは、VRではなく本物の戦争である。死んだらそこで――人生は終わる。
『プロジェクト・ファイアウォール』。
それは戦争の悲劇を防ぐため、青少年に課されることになった『VRによる戦争体験学習』。単なる「ごっこ遊び」の域を出なかったはずのその実習は、ある日唐突に混沌のプログラムと化した。
予定されていない兵士――否、人ですらない「謎の敵」の急襲、そして迫り来る「現実での死」の危険……。
高校のクラスメイトとともに、この異常事態に巻き込まれた少年・古橋優馬は、世界4位の成績を持つ兵士で、『フロストバイター』の異名を持つ少女・雨宮千歳が率いるチームに助けられる。
衝突や悲劇を乗り越え、プロジェクトの真相に迫っていく彼らが最後に見るものとは――!?

感想

閉じ込められたVR空間で死ぬとリアルな死。困難を乗り越えて生還できるか? なSF要素強めのアクションものです。王道の良さ、面白さがとっても生かされています。VRものから予想するこういうのあるかな?こうなるのかな?のお約束をキッチリおさえつつ、こちらの予想を上回る展開なんです。前作の『由比ガ浜機械修理相談所』に続いて安心の文章力・面白さですよ。

まずVRでのバトル描写が細かいんです。それに加えてリアルさを追求してか、電撃文庫としては攻めに攻めた表現になってます。狭い船内に機銃弾が飛び込んできたシーンなど、リアルの戦記物さながらな迫力で描かれています。私は開始早々、別クラスの艇が撃沈されるシーンでこれスゴいぞってなりました。いきなりチームメイトを退場させてくるため、どうやって生還するかハラハラものです。
手とかあちこち気軽に吹っ飛ばされます。戦記物同様の生々しい描写で犠牲者がでるので、そういうのが苦手な方は注意が必要かもしれません。それぐらい場面描写が濃いです。

ワードチョイスも巧みなので、狙いすましてインパクトがあるワードをぶっこんできます。"優馬の心臓をそっと包んだ"のあたりなんて、事前の振りもあって印象的でした。細かい描写はしつつも派手なとこは、思いっきり派手にして勢いで突き抜けるので爽快感もありますよ。1巻目は読むのであればスピード感も味わってもらいたいです。なので一気読み推奨です。

 

2巻目の感想

2巻目となると雰囲気がガラっと変わります。1巻目を単作の劇場版だとすると2巻目は、連載向けの1話目ぐらい雰囲気が違います。学校生活とかキャラ同士の交流とか増えていて、ある意味ラノベらしさが強まったような気がします。バトル時の厨二成分もちょびっと増量されてます。

展開自体はネタバレ回避のため押さえ目に1つだけ。1巻目で接近した優馬と千歳の距離感が、2巻目ではまた戻ってしまいます。そのヒロインとの絆がどうなるか、て是非読んでみてもらいたいです。繰り返し畳みかけてくるラストは圧巻ですよ。

個人的に2巻目のラストが、特に素晴らしく面白かったです。1巻目の雰囲気が仮にあんまりハマらなかったしても、2巻目までは読んでみてください!

 
 

 

同レーベルの感想も読んでみる

電撃文庫の感想

 

 
 
Visited 37 times, 1 visit(s) today

電撃文庫

Posted by kyoikyoi