ファンタジー銀河【ラノベ感想】
ファンタジー銀河 〜何で宇宙にゴブリンやオークが居るんだ〜
著:月汰元
イラスト:布施 龍太
出版:KADOKAWAの新文芸
アマゾンのあらすじより
見果てぬ銀河で、美女を助け、巨獣を狩り、宙を駆ける!
私、神宮司善は55歳で退職した独り身の男だ。ソロキャンプで天の川が輝いている星空を眺めていたら突如眩しい光が……。
――ここは見果てぬ宇宙。ゴブリンやオークなど異星の種族がひしめき合う銀河文明の世界だった。私は宇宙人に誘拐されて、ゴブリンに奴隷兵士として買われたそうだ。そしてモンスター《星害龍(せいがいじゅう)》との戦闘、廃宇宙港探索と私は生き残るために最大限努力をすることになる。そんなとき、最も強大な勢力と超高度な文明を誇る三種族の中の一つ、精神を極限まで発達させたリカゲル天神族のゾロフィエーヌを助けてしまい!?
【感謝します。三つの贈り物をしようと思います。何が良いか決めなさい】
それが宇宙の魔導師であり屠龍猟兵の誕生だった。ゴブリン、オークもなんのその。龍も狩って、航宙船も駆っての獅子奮迅。私の宇宙一代記の始まりだ!
感想
スペオベ展開がとても楽しかったです。
55歳のおっさんが宇宙ゴブリンにアブダクション(宇宙人による誘拐)されて、奴隷兵士として使い捨て扱いされるスタートですよ。そっから奴隷仲間のコボルトと脱出して、放棄された宇宙船を探しだし命からがら退避。
でもって自由になってからも燃料代や滞在費に悩みながら金策に走る……と私が好きなスペオペ展開でした。
その上、超文明を築いている手を出してはいけない文明があれば、一瞬にして滅んだ古代文明もあったりで宇宙を巡って遺失文明からジャンクなんて想像するだけでワクワクします。だから最序盤の宇宙服すら放棄された品をあさるシーンは、コレだよコレって思いながらみてました。
主人公をアブダクションしたゴブリン文明の設定も、いかにもスペオペの悪役種族って雰囲気でいいですね。無駄に好戦的で戦闘艦をいっぱいそろえたりするのに内政はいまいち。よその文明から買ってきた新鋭艦で侵略戦争にでるとか分かりやすい悪役です。
きっと主人公たちとの宇宙戦闘がこれからもあるんだろうなと期待しちゃいます。
そうです。私は期待しているんです。
スペオペの部分は他の作品では滅多にお目にかかれない展開ですしワクワクするんです
そのかわりファンタジーの部分がページを進めるごとに没個性さを感じさせます。これは足りない尽くしの中、創意工夫でやりくりする展開を私が好きだってのに依るところも大きいです。
実は中盤あたりから主人公が強くなり過ぎちゃうんです。
モンスターハントの傭兵で資金稼ぎってファンタジー要素の部分が、何度も読んだ異世界転生やゲーム内転生の主人公ムーブとかぶるんです。爽快感はあるんですけどねえ……。モンスターハントのところは私が好きなSFらしさはどこいったのかなあという印象です。
早々に主人公が強くなってお金苦労から解放されてますし、長命化のナノマシン手術を受けて55歳おっさんという特徴も1巻目でなくなっています。
ですから2巻目はスペオペ展開になるのか?それとも無双&ざまあのいつもの展開となってしまうのか気になります。
スペオペ部分が好みの展開で面白かったので、個性を魅せる方向に展開していかないか期待してます。
同レーベルの感想も読んでみる
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません