ヒトの時代は終わったけれど、それでもお腹は減りますか? 【ラノベ感想】

2023年1月10日

ヒトの時代は終わったけれど、それでもお腹は減りますか?
著:新 八角
イラスト:ちょこ庵
出版:電撃文庫

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アマゾンのあらすじより

荒廃した24世紀の東京は合成食糧や電子ドラッグが巷に溢れ、荒くれ者たちが鎬を削る……それでも、やっぱりお腹は減るんです。日々の戦いに疲れたら、奇蹟の食堂――《伽藍堂》へ!
厨房を受け持つのは「食の博物館」の異名を持ち、天使の微笑みをたたえる少女ウカ。狩人兼給仕を担うのは、無法者に睨みを利かせる、こわもて奔放娘リコ。
二人は今日も未知なる食材求めて、てんやわんやの大騒ぎ。「おいしい!」の笑顔のためならば、人を喰らうドラゴンから、食べたら即死の毒キノコ、はたまた棄てられた戦車まで!? なんでもおいしく、そして仲良くいただきます!
リコとウカの風味絶佳な日常を皆さんどうぞ召し上がれ。

感想

文明が崩壊してしまった24世紀の地球が舞台です。荒廃しきった東京では、天然の肉や野菜は大変高価な嗜好品となっていて、エナジーバーや人工の高カロリーミルクが庶民の食事です。そんな世界で美味しい食事を出す《伽藍堂》は、いつも大人気です。リコとウカは毎日の食材入手に大忙しです。
 
イラストの雰囲気と異なり内容は、結構ガッツリとしたSFの背景となっています。ロボット・サイボーグ・クローンなどなどSF的な用語や、シチュエーションが山盛りです。ファンタジー世界や現代物でないラノベは珍しいですね。
あとSFものというと設定が細かそうとか、難しくて分かりにくそうとのイメージで敬遠される方がいるかもしれません。でも本作は設定はしっかりしながら、読みにくいとなんてことはありません。そこはラノベなので、リコとウカの仲良い掛け合いで心地よく読めますよ。
 
それから、あらすじに戦車を食べる?なんてことを書いていますよね。これは荒廃しきった世界での食材確保するので、普通でないゲテモノすらも料理します。あれやこれやの工夫がタマりません。ダンジョン飯をSFにしたら?が、イメージとして近いです。1巻も2巻も書く巻の前半では、食材確保のドタバタやリコとウカの仲の良さを楽しみ、後半ではSF多めのシリアスシーンの構成です。
 
料理+SF+美少女と要素がタップリ詰め込まれていて、文字の良さを教えてくれる良作です。とても面白かったので、強くオススメします。まず1巻目を読んでみてください。
 
 
 

 

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