ガリ勉地味萌え令嬢は、俺様王子などお呼びでない【ラノベ感想】

2023年1月11日

ガリ勉地味萌え令嬢は、俺様王子などお呼びでない
著:鶏冠勇真
イラスト:くろでこ
出版:TOブックス
   151841685
 

アマゾンのあらすじより

「……血吸い花だ。それに触ったら、爛(ただ)れるぞ」
国中の貴族子女が集まる魔法学園の裏庭で、伯爵令嬢シャリーナは、地味で根暗な本の虫・田舎の貧乏男爵家三男のリオルと出会い――初めて恋に落ちた。さっそくその日から猛アタックを開始するも、リオルの態度はそっけない。彼は貧乏男爵という身分や魔法が使えないことにコンプレックスを抱えていて、シャリーナの本気を信じきれないのだ。そんななか、なぜか全然お呼びでないこの国の第一王子が「お前、俺を知らないのか」「フッ……お前、面白いな」とかなんとか言いながら付きまとってきたうえに、勝手に妃候補に認定してきて――
初恋相手に猪突猛進なヒロインと本好き頭脳派少年が王道王子に立ち向かう、 ガリ勉地味萌え令嬢シリーズ第1巻!

感想

ガリ勉地味萌え令嬢シリーズの1作目です。勘違いと思い込みの激しい主人公シャリーナとガリ勉リオンが、演じてくれる漫才のような素ボケと速攻のツッコミの数々が小気味いいです。面白かったです。

ガリ勉地味なリオンは、ある種なろう主人公っぽさがあります。貧乏男爵の3男で魔法の素質は皆無、ただ魔法の筆記試験はトップ成績の天才です。頭の回転の良さと知識で危機を回避したり、魔法を使えないかわりにアイテムを駆使するって玄人好みのキャラですね。そして表紙をみても分かるように外見は……です。黒髪+目の下にクマとぼっち系外観と特徴的です。

対して主人公シャリーナは、伯爵の娘でピンク髪です。際だった美人ではありませんし、これといった特技とか才能を持っていません。ただ持っていたのは、ディープラブ属性で初恋のリオンにそれはそれは一途でストレートに愛を貫くところが本作の面白さとなってます。

 

その2人の関係にオレ様系王子が絡みます。外見も才能にも恵まれた王子は、誰からも愛されていてオレ様系です。王道の展開だと王子様とヒロインの恋模様ですよね。そこを本作は、王子様をお邪魔虫に配しています。
主人公はリオンしか見えていないため王子様には、塩対応しかしないんです。ところがそれを新鮮と感じた王子様に見初められてしまい、ちょっかいを受け続けるというラブコメになってます。

主人公の大好きが暴走しまくっていて、それに若干引きつつも助けてくれる内面がイケメンのリオンとのやりとりがとっても面白いです。ネタを繰り返す笑いの定番を盛り込んできて、笑えて楽しいコメディです。
邪魔をしてくる王子様サイドは、そろって思い込みが激しくてシャリーナが王子をたぶらかす悪女だと勘違いして話を聞いてくれないんです。逆忖度ともいう勘違い要素も楽しいところです。

 

2巻目の感想

1巻目の終わり方がきれいな区切り方になっていて単巻作かと思っていたら別タイトルで続刊されていました。『ガリ勉地味萌え令嬢は、腹黒王子などお呼びでない』のタイトルです。『ガリ勉地味萌え令嬢』シリーズってくくりだそうです

窮地を脱した2人に今度は、もう一人の王子様がウザがらみしてくるお話です。1巻目と形は似ていて主人公は、人をたぶらかす悪女だってきめつけて敵対してきます。今度は子供のケンカに親まで出てきます。決めつけて話を聞かない王子様サイドに対して、リオン最高!リオンかっこいい!! リオンは完璧!!!とこっちも聞く耳をまったく持たない主人公とバッチバチにやりあります。ちょいちょいでてくる噛み合わなさが、最高に面白いです。

 

リオンはと言うと主人公の猛烈アタックに侵食されてか、好きかもと流されてきちゃいます。好意を持ってからは、リオンのナイト感がさらに強まってドンドンかっこよく見えてくるんです。地味キャラが光をあびる展開が好きな方には、ピッタリはまると思います。

令嬢ものの虐げられからの見返しって王道のパターンを踏襲しています。そしてあえてキャラに変化をつけて終始楽しませてくれました。コメディ強めのラブコメで大変に面白かったです。

 
 
 

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