月花の少女アスラ【ラノベ感想】
月花の少女アスラ ~極悪非道の傭兵、転生して最強の傭兵団を作る~
著:葉月 双
イラスト:水溜鳥
出版:DREノベルス
アマゾンのあらすじより
魔法を有効に使え、魔法だけに頼らず戦える兵士“魔法兵”――そんな新しい兵科を用いた傭兵団《月花》の団長アスラ・リョナは、前世でも傭兵として生き、命を懸けた闘争をこよなく愛している。
故にアスラは今世でも同じ道へと突き進む。迷いなく、躊躇いもなく。
「夢のような戦闘を続けよう。ロマン溢れる魔法を主体とした戦闘を。……ああ、君たちにとっては悪夢のような、だったかな」
偽り、謀り、欺きながら類い稀な魔法の才能と才覚で戦場を巡るアスラは、この世界でも悪名と戦果を挙げていき……やがて《銀色の魔王》と恐れられる少女のダークファンタジーが幕を開ける。
感想
ウォーモンガー、戦争狂いの戦争屋が主人公です。
見事に狂ってます。壊れた主人公と壊れた仲間たちによる、果てしない戦争ごっごですよ。面白かったぁ。でもまぁ読者層はかなり限定されそうですね。
主人公のアスラは、現代の傭兵からの転生者です。戦場で果てて異世界にいったら美少女になっていたパターンです。
そして本作最大の特徴は、転生してもやっていることが変わんないことです。むしろ前世の傭兵時代よりも悪化しているくらいです。
傭兵稼業を止められないアスラは、異世界でも傭兵団を立ち上げてます。そこで目指すのは、最強の傭兵団で戦争屋です。集められた団員は、元盗賊、元騎士など少数精鋭でどっか壊れた連中とクセ者だらけ。
だって帯でかいているメッセージは、「戦場で生き生きと死ぬ。最高の人生じゃないか」ですからね。完全にぶっ飛んでますよ。
これアスラの本心です。そして団員たちは、それを理解して付き従っているんおかしな連中です。
もう団員ときたらあきらかに普通じゃないメンバーだらけなんですよ。
そこへにアスラが、現代の戦場での常識を持ち込むもんですから、まさに混ぜる危険です。
たいへんにキナくさい展開の数々となっています。からめての数々で汚い。なさすが傭兵きたない。血みどろです。
そして転生先に魔法はあったものの、効果が弱くて軽視されていた世界だったんです。例えるならファイヤーボールですら超高度な魔法扱いといったところです。
そこで体術と魔法を組み合わせることをアスラは考えました。魔法兵という新たな兵科の誕生です。身体強化し魔法も使う特殊兵です。新たな概念の魔法兵を用いて、最強の傭兵団として悪名をとどろかせていく展開です。
加えて団員たちが強い理由も、単純なスキルみたいに与えられた才能で強くなったわけじゃありません。地獄の訓練と戦場での経験で強くなるかんじです。こういう苦労して強くなっていくのって私好きなんですよ。
いやぁこの狂気の世界が、どこまで突き進むのか気になります。
アスラを超える強さを秘めた副団長のルミアとか、常識人視点のリアクションを唯一やってくれるアイリスとか。キャラもクセだらけの個性的な面々で楽しいです。
またアスラの傍若無人が通じない英雄も存在する世界です。この英雄という高すぎる壁にどう立ち向かっていくのか?2巻目以降も気になります。
傭兵団を立ち上げて手段を問わず成りあがっていくお話が、大丈夫な方にオススメします。
2巻目の感想
1巻目で触れられていた副団長ルミアがらみの因縁ですね。
連携を持って敵を仕留める傭兵団は、どんな手段で強敵を打ち破るのか楽しみです。
罵倒や体罰などのお仕置きをされても興奮するとか、あのアスラですら若干引いていますし、レコくんの将来が心配です。
3巻目の感想
いやあ魔王の災害級で被害の出方がエグい。この容赦のなさは本作らしいダークさですね。
魔王との戦いにあたっては元副団長のルミアからも軍事力としてみたら傭兵団はそれなりだとしても、個の戦いなら何でもありをしかけてくるアスラが勝つという評がありました。私もまさにそうですよねと納得します。
英雄も等しく手にかけてます。傭兵団の倫理観は相変わらずぶっ壊れたままです。
戦うことに対して容赦ない傭兵団も、こういうの見ると傭兵団が家族なんだなって感じます。
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