呪われ料理人は迷宮でモフミミ少女たちを育てます 【ラノベ感想】

2025年6月29日

呪われ料理人は迷宮でモフミミ少女たちを育てます
著:棚架ユウ
イラスト:わるろお
出版:DREノベルス

 呪われ料理人は迷宮でモフミミ少女たちを育てます

アマゾンのあらすじより

幼い獣人達と共に倒した魔物を料理して強くなる幼女育成ファンタジー開幕!

子供を助けて死んでしまった褒美に、神によって異世界へトールという名前で転生することになった鈴木浩一。
魔物を料理できるチート魔法を授かったものの、彼を売ろうとしていたクズ親が死んでしまい、天涯孤独のサバイバル生活を強いられる。
そんな折、瀕死状態となった2人の獣人の子供を見つける。自らの生活も苦しい状況だったため、本来であれば関わらないのが一番だが――
「俺に、モフミミを見捨てるなどという選択肢は存在しない!」
獣人幼女たちと共に迷宮の魔物を喰らいつくす冒険が幕を開ける!

感想

『出遅れテイマーのその日暮らし』でお馴染み、棚架ユウさんの新作です。

ゆるふわ展開でテンポいいから読みやすく、あっという間に読み切ってしまいました。それでいて中心となるダンジョンは容赦ないハードモードだったり、追手から逃れるため地下にずっどスネークだったりと、ゆるい展開だけじゃないのもメリハリが効いて面白かったです。

 

気になる要素も結構盛々です。

スラムの5歳児に転生した主人公が生き延びて成長していくサバイバル要素、犬耳と猫耳幼女を育成要素にダンジョン探索要素。そして主人公の料理スキルによるダンジョングルメ要素まであります。こんだけあってスッキリと読みやすいんですよ。

 

まずはモフミミ少女からです。

金髪ショートの猫耳っ娘がシロ、銀髪ロングの犬耳褐色っ娘がクロです。ふたりともとにかく可愛い!
主人公にべったりで忠犬と忠猫です。そして主人公はわが身のようにシロとクロをかわいがって、素晴らしき優しい世界でした。

スラムの家庭に転生したり、シロとクロも奴隷狩りにつけ狙われていたりとか、生存環境が過酷すぎるだけに3人の和気あいあいとした様子に癒されまくりました。

 

そして本作最大の特徴といえる主人公の料理スキルについてです。

主人公は料理に関係するスキルが使えます。水を出せたり火をだせたりと料理に絡めて、色んなことがそこそこにできます。
しかも食べられるモンスターであれば、いわゆる「鑑定スキル」と同じことまでできます。これらのスキルと訓練してきた魔法スキルを駆使して、ダンジョンで生き抜いていていく爽快感も楽しいです。

食べられるモンスターというのがミソで、モンスターの生態や弱点に加えてどかが食べられるか、どうやったら食べられるかの知識も得られるんです。例えばスライムですらも、核の部分は珍味として食べられるから、もちぷる麺にできるって分かるんですよ。
そこから導き出されるのは……ダンジョン飯一択です。

 

食べるんです。

他に食べるものがないから野草を採取し、モンスターを倒して食べるしかないんです。主人公の料理人スキルでグルメなダンジョン飯が繰り広げられます。
シロとクロはおいしそうに食べてくれるし、ゴーレムまで食材にしてしまうファンタジーらしさもあるし、楽しい創作飯でした。

 
 
また幼女とダンジョン飯でわちゃわちゃする優しい世界かと思っていたら、ダンジョンは容赦なく命を刈り取りにくるハードモードって落差もよかったですね。しっかりと努力と工夫をし続けないとならないから読んでて飽きません。
100メートルを進むのに10分かけるダンジョン探索とか、古典的なダンジョンアタック風景を思い出せてくれました。
 
 
作者さん買いをして安定の面白さでした。
1巻目ラストで圧倒的な強者の登場と急展開を仕込んできていて、もちろん2巻目を出してくれますよね?
 

2巻目の感想

あーーシロとクロが今回もかわいかった!
 
 
強敵を撃破したところ前回ラストから始まって、シロとクロがまさかの急変化。一気に12歳ぐらいの外見になるし、片腕&片目が異形化していて一大事のはずなんですよ。
それなのにトール大好き、お腹すいた美味しいもの食べたいムーブは、5~6歳のころと変わらなくて微笑ましかったです。
 
おそらく町中じゃなくダンジョンに隠れ住んでいて、3人だけの生活で毎日がまわっているから今まで通りでいけたのかなあ、と感じています。
 
 
ドラゴンみたいな片腕になるって、けっこうな大問題だと思うんですよね。でも部外者がいないから、強くなって便利ぐらいにしかシロとクロは思っていないんでしょうね。
 
それから幼児→少女へと外見がかわっても、トールが変に意識することないのも素晴らしかったです。あくまで家族で保護者目線なんです。
家族としてちゃんと育てる、のスタンスを貫いてくれていて嬉しかったです。
 
モンスター料理を前にヨダレをたらすシロとクロは、まだまだ食いしん坊な育ち盛りです。お腹いっぱい美味しいものを食べさせてあげたいです。
 
 
 
あと2巻目はシロとクロがどうして追われているのか、その理由も明らかになりました。思っていた以上に酷い理由でした。
こんな理由は許せませんよ。打破するためにまたも強者との戦闘することになって……、いくらなんでもあれはやりすぎですよ。勇者がいたとしても勝てないんじゃ??
ゆるふわ雰囲気からの急展開は、今回もまた健在でした。おもしろかったです。
 
 
シロとクロに無理をかけず、付きあえそうな冒険者も登場しました。次あたり迷宮から外へでていく展開でも増えるんですかね。楽しみです。
 
 

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Posted by kyoikyoi