軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。【ラノベ感想】
軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。~乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?~
著:冬瀬
イラスト:タムラ ヨウ
出版:一迅社ノベルス
アマゾンのあらすじより
前世の記憶を駆使し、15歳にしてシアン皇国のエリート軍人として名を馳せるラゼ。上司である鬼畜宰相閣下に命じられた次なる任務は、セントリオール皇立魔法学園に生徒として潜入し、お偉いサマのご子息ご息女の未来を見守ること!? 軍での生活とは一変、彼らとのキラキラな学園生活に戸惑いながらもなじんでいくラゼだが、突然友人のカーナが、「ここは乙女ゲームの世界、そして自分は悪役令嬢」と言い出した! しかも、最悪のシナリオを回避しなければ、ラゼもろとも破滅する!? その日からラゼは陰に日向に? イベントを攻略していくが、次々とゲームにはない未知のフラグが発生して――!? 前世知識と軍人として培った技能をフル活用して、このミッションを必ず成功してみせる! 軍人ラゼの異世界転生ラブコメディ♪
感想
バトル要素強めの乙女ゲーにモブ(自称)として転生する物語です。
しかも主人公ラゼが、軍人の少女で命を受けて皇立魔法学園に入り込む展開です。
転成したモブ(自称)(超絶能力持ち)が、貴族だらけの学校に平民なのに入学です。
試験で一番を取って、ゲームの攻略対象に興味を持たれて、お茶会にダンスとみんな大好きな要素が待っています。
タイトルの"軍人少女"のとおりラゼは、軍人という変わった設定です。しかも国でもトップクラスの実力者です。この軍人要素が、乙女ゲー転成のテンプレを適度に崩して楽しい雰囲気となっています。
まずラゼは転生者です。ただ前世の記憶が部分的にあるぐらいの認識です。前世の知識で強くなれたという立ち位置です。それだから魔法学園に入って「乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?」って面白さに繋がっているんだと思います。
乙女ゲー的なところでいうと平民ヒロインのフォリアと、皇子の婚約者カーナ(悪役令嬢)が主役です。それを反映して扉絵1枚目だとカーナとフォリアがドーンと描かれていて、ラゼは後ろの方で料理に夢中なモブとして描かれています。
この扉絵のパワーバランスをラゼが、無自覚にぶち破っていくのは面白かったです。
そしてフォリアとカーナの2人は、とってもいい子だというのも好きなとこです。ラゼとも仲良しで3人の友情がまぶしかったです。読んでいてつい応援したくなりました。
ちなみに物語の構図が独特なのでそこを理解するのと、乙女ゲーの攻略対象など多めの登場キャラを理解する必要があります。個人差もあると思いますが、1巻目の前半ぐらいまでは作品世界を掴む時間となるんじゃないかと思います。
キャラが多い作品を苦手とする場合は、名前と役職をメモして見返しながら読むのをオススメします。
2巻目の感想
乙女ゲー転成につきもののバッドエンド回避が面白かった!
まずラゼの入学で乙女ゲーのフラグは、1巻目時点でバキバキに折られています。そのせいなのか本来であれば悪役令嬢として破滅に向かうカーナは、婚約者とラブラブです。
ヒロインのフォリアも逆ハーとはならず健全なお付き合い(?)だったりとメインルートから逸れてきてます。
そんな想定外すぎる展開となっているので、不確定因子の排除とばかりにラゼに刺客の手がおよび……。
バトルファンタジーらしさも加わって、より面白くなった2巻目でした。
そしてなにかと無自覚なラゼに好意を向ける攻略対象も現れるんです。彼の思いを酌んでいくのか、それともまだハッキリとしたイベントがありませんが、年上の方と好感度を上げていくのか。恋愛要素も楽しみです。
3巻目の感想
ラゼがたっぷりフラグを折りまくってくれたので乙女ゲー原作展開からは、すっかり変わってしまいました。本当ならフォリアが、攻略対象と起こすイベントは発生しそうにありません。もうこれって完全にラゼが、主人公の座を乗っ取っちゃってますよね?
でも作中だとラゼは無自覚にやらかし続けますし、周囲の誰も気づいてはいなそうな様子です。ツッコミの声は読者のみですかね。
3巻目では、騎士を目指すイアンくんを攻略となりました。彼も剣術バカだから恋愛フラグまでは、まだ築かれてなさそうです。
でも「きっかけはグラノーリだけど、自分で決めた道だ。みんなに認められるくらいに強くて信頼される騎士を目指すよ、オレ」なんて屈託のない笑顔で言う破壊力満点なシーンもあったりするんですよ。
これはなかなかな破壊力ですね。イアンくんは、今後も無自覚に攻略対象っぽいセリフをぶちまけて欲しいものです。
あと序盤にあったフォリアの雪遊びシーン、癒しの極致でした。これが乙女ゲーヒロインのもつポテンシャルなんですね。まじ天使! なんでこのヒロイン力でヒロインじゃないんだか。
それだけラゼがやらかしたってことでしょうかね。
多少のバトル要素はOKでコメディよりの作品が、好きな方にオススメの作品です。
軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。~乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?~ (一迅社ノベルス) [ 冬瀬 ]
同レーベルの感想も読んでみる
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません