ヤンデレ至上主義の悪役令嬢はハッピーヤンデレカップルを慈しみたい!【ラノベ感想】

ヤンデレ至上主義の悪役令嬢はハッピーヤンデレカップルを慈しみたい!
著:染井由乃
イラスト:シースー
出版:レジーナブックス

  ヤンデレ至上主義の悪役令嬢はハッピーヤンデレカップルを慈しみたい!

アマゾンのあらすじより

大好きなヤンデレ乙女ゲームの悪役令嬢に転生したエレノア。国外追放か死が待っている悪役令嬢になってしまったわけだが、「そんなすてきなことが、あっていいのかしら!!」とエレノアは大歓喜。大大大のヤンデレ好きな彼女にとっては、ヤンデレカップルの恋の行く末を見守れることのほうが重要なのだ。彼女は前世の記憶を活用し、五組のカップルをハッピーエンドに導くことにした。悪役令嬢という立場を利用して、ヒロインたちの背中を押し、危険もいとわず恋のスパイスになっていたところ、攻略対象者でもある冷酷なお義兄さまになぜか執着されて……? 異色の悪役令嬢ファンタジー、開幕!

感想

これまでハード目なヤンデレが中心だった染井さんの新作です。なんとコメディよりでヤンデレ初心者さんへも超オススメです。
上級者へはタイプが違うヤンデレを一気に味わえるフルコースになってます。といあえず読んで!

 

主人公のエレノアはヤンデレが大好きな限界オタクです。だからヤンデレ乙女ゲームの世界に転生したらテンション爆アゲで、ヤンデレカップルを間近で愛でるというお話です。シリアスなシーンであっても、ちょいちょいエレノアのヤンデレ愛が吹き出してくるのが楽しいですし、ヤンデレ一辺倒にならないのでライトコメディとして読みやすいですよ。

 

本作はヤンデレを得意とする染井さんの作品なので、バラエティーに富んだヤンデレカップルが登場します。
一見すると純愛じゃない?とも感じる王子様とか騎士団長もしっかりと病んだ部分があります。1冊で5組ですよ!🍞🍞🍞

 作中からの引用

  • 婚約者の公爵令嬢が無口すぎるが故に、恋心を拗らせる王子様のヤンデレ
  • 実験体である少女に恋をしてしまい、彼女を守るためなら手段を選ばないヤンデレ
  • 幼馴染みの女騎士への想い静かに募らせ、一途に思い続ける騎士団長のヤンデレ
  • 伯爵令嬢との身分差に悩み、思い切って心中を図ろうとする従者のヤンデレ
  • メイドと恋に落ち、権力にものを言わせて想いを屈折させていく侯爵令息のヤンデレ

 

そしてそしてヤンデレ初心者さんにオススメと私が書いた理由は、エレノアがハッピーヤンデレを目指しているからなんです。

原作ゲームがハードなヤンデレ作品なので、全キャラにバッドエンドが設定されています。バットエンドだと命を落としたり、箱庭から出られないような監禁エンドとか悲惨な結末です。好きなキャラが目の前で不幸になるのなんて見たくないから介入して、みんなをハッピーなヤンデレエンドへ導くぞってのがエレノアの目標です。

男性側がもれなく病んでいるのでハッピーエンドでもヤンデレがぶっこまれます。
好きすぎるから男性陣は自分ファーストで認知が歪んじゃってて、とてもよいですね🍞🍞🍞

 

またヤンデレ作品にはメリーバッドエンドという概念があります。これは心中エンドでバッドエンドとして終わるシーンで、お互いに堅く手を結んで穏やかに倒れていたらどうですか? これを2人にとっては幸せなエンドという解釈もできませんかね。世間からしたらバッドでも2人にとってはメリーだよねてってのがメリーバッドエンドです。
そして本作にもメリーバッドエンドのシナリオがあります。一般的なヤンデレ作品だとメリーバッドエンドに流れがちなんですが、エレノアはそこも食い止めてハッピーヤンデレを目指すんです。だから目指すはみんなハッピーです。安心してオススメできます。

あとはエレノアが限界オタクであっても、良心と最低限の常識を持ち合わせているのがよかったですね。主人公のエレノアも推せるキャラなのはいいです。

いくらヤンデレが大好物でも接したことがある人物が、目の前でヤンデレ沼の破滅に落ちていくのなんて見たくないですから。いくら2人にとって幸せそうだとしても、心中なんてせず生きぬいて幸せに暮らして欲しいと思いますからね。

私も伯爵令嬢との心中エンドは、OK派ですけれどもリアルでやられるのは絶対阻止です。
ヤンデレはフィクションに限ります。リアルでやるのはダメ。ゼッタイ。

 

そして最後にエレノアがシナリオへ介入し続けだ結果、作品本来のシナリオからズレていってしまいエレノアが脇役として観る側から作品の中心へ引きづり混まれていく展開も面白かったです。ヤンデレ好きがリアルにヤンデレに直面すると、いったいどうなるのか??

 

面白かったです。とてもオススメです。
1巻だけなのが勿体ないくらいです。いっそ上下巻で5組のヤンデレをもっと深く観たかったなあ🍞🍞🍞

 

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