引き籠り錬金術師は引き籠れない【ラノベ感想】
アマゾンのあらすじより
家でのんびり物づくり……の筈が、街の発展が止まらない!?腕はいいのに対人能力ゼロな引き籠り錬金術師セレス。ある日遂に家を追い出され、別大陸の田舎街へ辿り着く。そこで暮らし始めるのだが、作った薬は難病を癒し、戦えば魔獣を殲滅。気づけば街が賑わい、依頼も次々と増えていくことに。「私は引き籠りたいだけなのに……!!」これは隠遁生活を目指すも無自覚に仕事を増やす錬金術師の奮闘記である。
感想
ポーションが作れて素材採集に魔物退治もできると、マリーのアトリエとかアトリエシリーズみたいな万能錬金術師のお話です。主人公のセレスは何でもできるスゴ腕です。でも…病的なまでにコミュ障な困ったちゃんだったんです。
依頼人と会いたくないから仕事受けない。まともにしゃべれない。まともな生活なんてとてもじゃありませんが無理な人見知りです。はては引きこもってばかりいたので、母親によって簀巻きにされ捨てられるという強烈なシーンから始まります。コメディ色が強い作品で面白かったです。
なろう作品におおい登場人物によって1人称をかえる手法が、良い具合にはまったように感じました。セレス視点では、「知らない人怖い」「はやく帰りたい」とビクビクした対応で書かれています。でも相手側のシーンでは、にらみつけてドスのきいた声で脅しにかかってきた。いつでも戦闘には入れるよう身構えてたって、とられられています。
そうセレスは緊張すると表情が怖くなって、まともにしゃべれないんですよ。お互いの壮絶な勘違いが楽しいコメディ作品です。
錬金術師としての活躍以上に、登場するキャラ達のスレ違いっぷりが面白いです。例えば門番のリュナドは、セレスに懐かれているんですけど、リュナドからすると会う度に脅されて許してくれって状態なんです。それがセレスと「比較的」会話ができるから、セレスとの交渉役を押しつけられる苦労人です。私は好きなキャラです。
あと唯一セレスと会話できる食堂のライナもいいキャラですね。彼女がいなかったら作品が成立しないぐらいセレスの理解者です。
2巻目の感想
ツン気味な魔法使いのアスバが一行に加わりました。セレスの心中と周囲のスレ違い、勘違いぶりが甚だしくて面白いです。文章だけ読んでいると2巻目だし、セレスもちょっと打ち解けたかな?と思わせておいてあのイラストです。azuタロウさんが描く感情が死んだ目を見ると、セレスの人付き合いはまだまだ苦難が多そうです。
そしてなんとなく常識人だから不幸になるんだろう…とおもったリュナド。案の定ですね。彼はもっと泣いていいと思います。
3巻目の感想
ちょとは主人公のコミュ障が、改善されたと感じていたのは私の勘違いとばかりにセレスの問題児っぷりを再認識する回でした。やっぱり身内以外だと相変わらずなんですね。アスバとの微妙にかみ合わない会話が、今回も愉快です。苦労人リュナドも精霊さんのサポートで常識枠からはみ出しつつありますね。
また表紙にいる少女が新たに仲間入りします。これまでの雰囲気に比べ突き抜けて重い背景を背負った娘です。なんとしても幸せになって欲しいものです。
コメディ作品が好きな方におすすめします。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません