捕食者系魔法少女【ラノベ感想】

捕食者系魔法少女
著:バショウ科バショウ属
イラスト:東西
出版:KADOKAWAの新文芸

  捕食者系魔法少女

アマゾンのあらすじより

蟲たちよ 喰らい、孕ませ、蹂躙しろ

人間を苗床に増殖する異界の怪物・インクブスの出現によって人類は絶滅の淵に立たされていた。彼らに対抗できるのは、超常の存在から力を与えられた魔法少女(ウィッチ)たち。女子高生の東蓮花もまた、数多の蟲を操る魔法少女・シルバーロータスへと変身し、日々怪物たちとの戦いを繰り広げていた。そんなある日、シルバーロータスはインクブスに襲われていた新米魔法少女のアズールノヴァを救出する。自身のファンを名乗る彼女との出会いにより、孤独なシルバーロータスの日常は徐々に変化し始めて――!? 蟲を操り、怪物を喰らう異端の魔法少女ダークファンタジー、開幕!

感想

人類を狩りに地球にやってきた怪物、インクブスから人々を護るため魔法少女(ウィッチ)が立ち向かうお話です。

お話なんですけど蟲を使役する魔法少女が主人公なんですよ。正確には蟲を模したファミリアなんですけど、人型サイズのクモとかカマキリにムカデをあやつるのは、どうみたって悪役サイドの絵面なんだよなあ。

 

本作の世界観はかなりダークです。

インクブスはオークやゴブリンみたいに、人間の女性を苗床にしようと侵略してきます。それに人類が対抗する手段が魔法少女です。魔法少女は空飛ぶし魔法をバンバンつかえて、マスコットの相棒もいる日アサっぽい魔法少女です。

でもね……年端もいかない魔法少女が矢面にたって、インクブスに敗北したら蹂躙&苗床が確定している世界観で、とんでもなくダークなんですよ。作中で何人もの魔法少女が苗床として連れ去られています。

 

そんな世界の主人公が東蓮花こと魔法少女・シルバーロータスです。
そして捕食者系魔法少女です。

どういうことかというと彼女は蟲をモチーフにしたファミリアを使役するんです。本来ファミリアはマナが切れると消えてしまいメイン火力にならないんですが、蟲のファミリアがインクブスを捕食することでマナを吸収し、危険極まりないファミリアと化してます。

 

これは人類を苗床にしようと狩りにやってきたインクブスを待ち受けて、逆に狩って捕食してやろうって戦い方になっているんです。うーんとってもダーク。

 

構図としては狩る側の強者に罠をはり、一対多で蹂躙していく爽快感がある作品です。
インクブスはちゃんとした強者で個として強いだけでなく、主人公によって痛手を受けると作戦を練って全力で対抗してきます。油断なんて一切なしです。

で、そんな強敵に蟲をけしかけて、さらなる力で蹂躙していくファンタジー作品です。楽しいですよ。

 

主人公も敵も全力を尽くしての頭脳戦が熱いです。敵側の覚悟も見えるのもまた熱い。
それから使役する蟲はいろんな種類がいて、毎回戦い方を変えてくるので飽きません。

 

私は楽しく読めました。でも、どうしても蟲がでまくります。昆虫が苦手な方はスルー推奨です。
あんまり馴染みがない昆虫をモチーフにしたファミリアもいましたが……Googleで画像検索はできませんね。

魔法少女側に不穏さを感じるキャラもでてきてましたし、2巻目でどう物語がうごくのか楽しみです。

 

 

同レーベルの感想も読んでみる

KADOKAWAの新文芸の感想

 

Visited 55 times, 1 visit(s) today