幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。【ラノベ感想】

2023年1月11日

幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。
著:二宮 酒匂
イラスト: 細居 美恵子
出版:カドカワBOOKS
  9784040720159

アマゾンのあらすじより

田舎町のおんぼろな自動販売機、そのそばには着物姿の女がいる。軽やかに歌う彼女は、人ならぬもの。そんな「自販機」にうっかり恋をしてしまった“ぼく"の片思いを描いた、笑って泣ける青春恋愛劇。

感想

カドカワBOOKS6周年のコメントで知りました。タイトルがまずなんだこれ?ですよね。
自動販売機とは付喪神のことで表紙の女性のことです。自動販売機の神様と人間の子供が織りなす恋愛ストーリーな本作です。読み終えて穏やかな気持ちになる作品でした。

主人公は神社の子供で本来みえないものが見える体質です。古びた自販機のそばにいる着物美女に出会ったのが、このお話の始まりです。和服に番傘で古い唄を口にする風変わりなお姉さんです。子供の主人公にとって自販機は、愛嬌があってちょっと変わったお姉さんの存在です。でも思春期を迎えると男の子は、そうもいきませんよね。自販機を思いっきり異性だと意識しちゃいます。気になるけど気恥ずかしくて言い出せない。そもそも相手は人じゃないしで、甘酸っぱい恋愛のお話です。

細居さんのやさしさを感じるイラストも、ゆったりとした時間が流れる雰囲気にピッタリで素敵でした。各章の扉にあるイラストが毎回楽しみでした。

人と人ならざるモノの恋がテーマな作品を私は、好きなのでとっても楽しめました。人は成長し変わっていくのに、人ならざるモノは変わらずの姿のまま。異質な二者の恋模様は、温かく面白かったです。ラノベっぽさは、そこまで感じなかった気がします。ライト文芸といわれるジャンルの読後感に近いです。たぶんですけど「由比ガ浜機械修理相談所」が好きな人には刺さるかなぁと思います。

ふだんラノベを読まない方にもオススメする一作です。

 
 

 

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