庶務省総務局KISS室 政策白書【ライト文芸感想】

2023年1月10日

庶務省総務局KISS室 政策白書
著:はやせ こう
イラスト:カシワイ
出版:‎ハヤカワ文庫JA
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アマゾンのあらすじより

2020年、世界を襲ったSARSインパクトにより国際社会は激変した。庶務省総務局、経済インテグレーション・サステナブル・ソリューション室、通称KISS室の島崎室長と部下の中村君は、地球温暖化問題や働き方改革など、他省庁をたらい回しにされた重要課題に対する、エレガントな政策提言に余念がない。「潜水型流氷カニ運搬計画」「残業パラダイムシフト」「国際原子時(TAI)連動景気対策」などなど、日本を救うショートショート15篇。

感想

220ページに対して15篇のショートショートなので、かなり短めのストーリーです。でも風刺と皮肉成分が山椒のようにピリっときいて、読み応えのある作品になっていました。

上司は面倒くさがりで事前に会議資料は決して読まないようなタイプ、それに対して主人公は実務キッチリで上司のフォローをそつなくこなすタイプです。そんな2人の掛け合いトークが秀逸です。

 
毎回どの部署も手をつけないテーマが主人公がいるKISS室に回ってきて、そいつに振り回されます。時にはそれでいいのか?って転がり方もして多彩な展開です。解決要素にSFっぽい要素が含まれるときもあって、ハヤカワの作品って感じがします。
作中に「キョンキョン大臣はセクシーな仕事しかしない」と、かなり最近の時事ネタも多いです。気になった方は、なるべく旬な今のうちに読むと良いんじゃないかと思います。
 
 
 

 

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