異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。 【ラノベ感想】

異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。
著:飯田 栄静
イラスト:桑島 黎音
出版:ブシロードノベル

  異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。

アマゾンのあらすじより

「帰ってきたんだぁああああああああああああああああああああああああああ!」
六年前、由良夏樹は異世界に勇者として召喚された。
人間と魔族との戦いに巻き込まれ、元の世界に戻るには魔王を倒すしかないというテンプレートなことを言われて必死に戦った。
同胞さえも平気で蹴落とす人間側につき、いいように利用され、おぞましい戦いに身を置きながらも、死にたくない一心で戦った。
やっとの思いで帰ってきた地球だったが、神様に天使に宇宙人と異世界以上のファンタジーに遭遇する!?
「地球もかなりファンタジーじゃね?」

感想

異世界ファンタジーと現代バトルとラブコメ全部のせって、みんな大好きな要素を詰めあわせた面白い作品でした。

転移した異世界から魔力を身につけたまま帰還して、現代でも魔力つかって無双できる!とお馴染みの展開とおもいきや、確かに地球の様子がおかしかったですね。

霊能力者があたりまえにいて能力者は当局の管理下でした。野良能力者は逮捕や処分もありえるおっかない状況で、警察も能力者を監視してました。
だから現代で強力な魔法なんて使おうもんなら速攻で当局が飛んでくる地球です。

実際に主人公のもとに飛んできましたし、色々あって天使までやってきます。いったい地球はどうなってしまったんでしょう??
なんと帰還後の地球は能力バトルが実在する現代ファンタジーと化していたんです。

 

1巻目では規格外の強さをもつ主人公にファンタジー化した現代側が、「えっ強すぎて手に負えない」と対処しかねているところです。
現代での能力全開バトルは次巻以降になるのかな?と予想しています。現代ファンタジーとして面白かったです。

 

それに加えてラブコメもしています。
副題の「負けヒロインどもこっち見んな。」のところです。

 

負けヒロインとは主人公の元義妹のことです。
妹キャラらしくお兄ちゃんと結婚する!とデレだったのが、ある日から主人公の幼馴染みに鞍替えして、兄キモいへ一転してしまったんです。そして歩み寄ることもできず両親は別れてしまい、義妹から元義妹となったというヒロインです。

作中でどうして彼女が豹変してしまったかの理由は明かされます。これを仕方ないとみるか、それはそれで主人公が拒絶しつづけるのか……気になるところですね。
個人的に恋は成就しなかったとしても、妹ちゃんには幸せになって欲しいです。

 

また負けでないヒロイン候補が豊富なのも楽しい要素です。

破天荒でカッコいい天使の小梅、現代日本で魔を払う水無月姉妹、それから警察署長の娘銀子。4人とも魅力的でした。
なかでも口絵だと年上お姉さんに見えた銀子さんは、刀剣フェチであんなダメなお姉さんだったなんて想像できませんでした。そんなお姉さんも素敵ですね。

 

水無月姉妹となると彼女たち一族の闇を主人公がぶち破る展開も忘れられません。
神様がいて、それを奉る人間がいて、愛するが故に悲しい歴史がはじまり……と感動的なエピソードでした。
具体的にどうだったかは読んでみてください。読み応え抜群です。

 

意欲的な力作だと思います。
現代ファンタジーとラブコメの両方が好きな方へオススメします。

 

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