リアデイルの大地にて【ラノベ感想】

2023年1月10日

リアデイルの大地にて
著:Ceez
イラスト:てんまそ
出版:KADOKAWAの新文芸

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アマゾンのあらすじより

目覚めたのは200年後の世界――そこで彼女が為すべきことは?事故によって生命維持装置なしには生きていくことができない身体となってしまった少女"各務桂菜"はVRMMORPG『リアデイル』の中でだけ自由になれた。そんなある日、彼女は生命維持装置の停止によって命を落としてしまう。しかし、ふと目を覚ますとそこは自らがプレイしていた『リアデイル』の世界……の更に200年後の世界!?
彼女はハイエルフ"ケーナ"として、200年の間に何が起こったのかを調べつつ、この世界に生きる人々やかつて自らが生み出したNPCと交流を深めていくのだが――。

感想

事故でVRMMOの世界に意識が取り残されてしまって、『リアデイル』作中で第二の人生を送る。そのパーソナルキャラはやりこんだトップ級のキャラであって、ゲーム内で目覚めた200年後はその時よりも周囲がおとなしくなっていて、当時のキャラ能力の主人公は圧倒的な能力を持つ、とこれだけ書くとなろうの王道作品、悪くいえばテンプレの量産品です。
 
ところが本作の掲載期間は、2010年~2012年とこの手のジャンルの開拓者で評判もよいので手に取りました。時期的にはソード・アート・オンラインやログ・ホライズンと同じ頃の作品です。
1巻目の100ページも読まずに感じるのが、新鮮な気持ちで楽しめます。設定に関して2020年では何度も読んだ設定のハズが、新たな作品として楽しめます。多少先の展開が読めているのにページをめくる手が止まらないんです。不思議な魅力があります。
 
 
物語の基本は、主人公の1人称視点で進展します。リアデイルがゲームの世界とわかっているのと、主人公は圧倒的に強いと分かっているので、何気ない動作で周囲をめちゃくちゃに驚かせます。それでも不快感を感じないのは、主人公を基本的には善人(でも意外とワガママ)なキャラクター付けだからなのかもしれません。
 
あとその後にでた作品との違いとして、主人公がゲーム内でつくった子どもいます。
その子どもや関係者が物語を彩ってくれます。優秀な子ども達(血はつながっていない)のマザコンぶりと、時に冷たく接する主人公の態度は記憶に強く残ります。
 
作中でのメインテーマは、ゲームから200年が経過し当時のGM達がログインしなくなったので
放置されてしまった塔を巡回して、MPを補充していくです。それをテーマにリアデイル内を飛び回ります。4巻まで読んだところ主人公の能力は圧倒的で、それに並ぶ敵や困難は発生しません。2巻目から同じようなテンポでシチュエーションが異なる塔を巡っています。このあたりの雰囲気は長期連載のラノベ感がありますね。
 
もしこの手のジャンルが好きであれば、読んでみてはどうでしょうか。
 

5巻目の感想

主人公ケーナの暴走(当人に自覚なし)はあいかわらず止まりません。王都襲撃イベントでまたまた大暴れします。我が道を歩む無双っぷりなのに、あまりワンパターンだとは感じないんですよね。周囲を固めるキャラの動かし方が上手で楽しいです。
またこれまでにない戦闘シーン大盛りの巻です。ダンジョンアタックもあります。ラストのあたりで新キャラの登場があり、続刊がますます楽しみです。
 

6巻目の感想

6巻目もケーナのフリーダムにあっち行ったり、こっちへ行ったりの自由な異世界生活は変わらずの楽しさです。そんなゆるい雰囲気のところに驚愕の事実がぶちこまれるたのが6巻です。ケーナがリアデイルで目覚める前の話など、世界観に関わる特大情報が明らかになりました。これ以外にも重要になりそうな中身がサラっと出てきました。今後のターニングポイントなりそうな巻でした。

 

7巻目の感想

特大情報をぶっちゃけたあとの7巻目もケーナの気ままな旅は変わらずでした。リアルの要素をちょっとからめながら、ケーナがこれまでどおり我が道を歩んでます。これまでの雰囲気と変わらずで、安心の展開でした。あとがきでは次巻がweb版の最終にあたる部分とのことです。次はどうなるかですね。

 

8巻目の感想

リアデイルに残ったプレイヤーをあつめてモンスター討伐のイベントだなんてテンションが上がってしまいますね。権限を行使してGMコールで最後のイベント開催ってアナウンスが流れるあたりは、過去にMMOをプレイしていた時の思い出を蘇らせてくれました。プレイヤーが敵やアイテムを俗称で呼び合うのもMMOらしいですね。
イベントで盛りあがり次巻へ続くです。9巻目もまた楽しみです。

リアデイルの大地にて
Ceez
KADOKAWA
2019-01-30
 
 
 

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