魔王軍の幹部になったけど事務仕事しかできません【ラノベ感想】
魔王軍の幹部になったけど事務仕事しかできません
著:悪一
イラスト:オウカ
出版:TOブックス
アマゾンのあらすじより
「じ、事務しかできません…けど?」異世界召喚に巻き込まれた社畜リーマン・アキラを待ち受けていたのは、救世主を待ち望む魔王軍の面々。聞けば千年続く人類軍相手の生存戦争で、時代に取り残された魔王軍は瀕死寸前という。科学どころか書類一枚作れない軍内を改革する為、唯一の秘書・ソフィアと奮闘する事に。そんな中、人類軍の軍略で戦況が激変。魔王を前線から救出すべくアキラが提言したのは、「大規模かつ効率的な補給活動」を前提とした史上空前の空中戦だった……!? 一人の元リーマンが人と魔族の未来を変えていく、異色の戦記ファンタジー誕生!
感想
内政がんばる系のお話です。ノーチート。現代から持ち込んだ知識で、魔王軍を立て直すのが面白かったです。
最初のところは「じ、事務しかできません…けど?」といいながら軍制改革までやってのける主人公に、あぁいつもの内政ものか……と思いかけていました。そう最初は。
ところが読みすすめていっても主人公は、徹底して裏方だったんです。命令系統を整えて輸送・補給の概念を根付かせる。
制度改革では反対の嵐の中、魔王の威をかりて強引に突破。その後、実績を積み重ねて認められていくと真面目なお仕事物になっていました。
現代の事務知識による改革は、だいたい軍に絡んでいるので内政物でも軍事改革系が好きな方に合いそうです。けっこうニッチな層になるかも。
お仕事ものの側面があって作中のコメディ表現なのに、現実を思い起こして思わず遠い目をしてしまうネタなんて印象深いです。
組織として倉庫があるのに一線からの要求で、個別に専用の倉庫を作らされるとか……既にあるのに同じようなのを作らされる……あるあるですね。
くわえて人間側が強くて魔王の強大さでギリギリ持ちこたえている状況も面白かったです。なにせ勇者やチートと戦うんじゃないんです。重火器に装甲に集団戦、一次大戦レベルの軍隊が相手なんです。
いやでも個の戦いから抜け出さないとならない魔王軍側が、主人公ってのは面白い設定です。
主人公以外のキャラは……ハーレム系です。キャッキャウフフのないハーレムです。
魔王軍の男性キャラにいい具合のおじさんキャラとか、エルフもいただけに女性以外のイラストも欲しかったなぁというところでした。
ネットミームとか一人ツッコミも多くて読みやすい作品です。内政系が好きという方はいかがでしょうか
1巻目は戦争に向けて、2巻目は人以外と戦うとテーマも分かれた作品となっています。
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