魔王殺しと偽りの勇者 【ラノベ感想】
魔王殺しと偽りの勇者
著:ファミ通文庫
イラスト:ぎん太
出版:ファミ通文庫
アマゾンのあらすじより
“本当に”大魔王を打倒した勇者を見つけろ――王宮戦士のエレインはその奇妙な命に首を傾げた。十日前、百年に一度復活すると云われた大魔王が斃された。しかし、四名の人物が「自分こそが大魔王を倒した勇者である」と主張しているというのだ。さらに戸惑う彼女に用意された協力者は、王族でありながら魔族に寝返り、牢に幽閉されていた不遜な青年ユーサーで……。果たしてエレインは勇者たちの嘘を暴き、真実を手繰り寄せることが出来るのか? ミステリアス・ファンタジー、開幕。
感想
大魔王がすでに打倒されていて、本当に大魔王を倒した勇者を探しだすという異色作です。探偵役を担う魔族のユーサーと、へっぽこ助手役を担う戦士のエレインがバディとなって、聞き込み調査に推理を重ねるミステリー作です。騎士に魔道士に聖女とファンタジーな舞台ですけどね。やっていることは探偵ものそのものです。魔法とか予言がある世界で、推理を武器に真実にせまっていくのが本作の魅力です。
脳筋役でもあるエレインがミスリードにかかってみたり、ユーサーに「良く分からない!」と助言を求めたりに対して、ユーサーが「おかしな箇所にきづけた?」とヒントをだしていくミステリーらしい構成になっています。
推理も楽しめるようになっていて謎あかしがされてから前のページを読み返すと、矛盾点がそちゃんと書かれていました。ミステリーになれている読者であれば、真犯人は誰か? 4人のうち嘘をついているのは誰か?と推理しながら読めそうです。読者が気づける範囲に仕掛けがしてあったように思います。やっぱり重きはミステリーな作品ですね。ファンタジーもミステリーも好きというニッチな層にささりそうです。
注意点は2巻まで通しで読むことが、必須な巻の構成になっているところです。4人の自称勇者を順に聞き込んでいく流れで、1巻目では聞き込みの途中で終わります。読むのであれば2巻目までをセットで入手することをオススメします。
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