メイデーア転生物語 【ライト文芸感想】
メイデーア転生物語 この世界で一番悪い魔女
著:友麻碧
イラスト:雨壱 絵穹
出版:富士見L文庫
アマゾンのあらすじより
魔法の息づく世界メイデーアで紡がれる、片想いから始まる転生ファンタジー
魔法の息づく世界“メイデーア”。辺境貴族の令嬢マキアは、騎士の少年トールとともに、魔法を学ぶ日々を過ごし、強い絆を育んできた。ところがトールが異世界から来た〈救世主の少女〉の守護者に選ばれたことで、二人は引き離されてしまう。
トールの不在に動揺するマキア。だが王都の魔法学校に行けば、再びトールに会う機会がある。彼に抱いた想いの正体を知るため、マキアは最高峰の魔法学校を目指す!
これは〈世界で一番悪い魔女〉の末裔マキアが、自身の想いを伝えるための、長い物語のはじまり。
感想
現代で結ばれなかった2人が、異世界で結ばれる(かもしれない)物語です。恋愛ファンタジーの王道中の王道ですね。書き出しは現代でいくつもの謎を残して、死を迎えるシーンとなっています。読者に強烈なインパクトと、謎を抱かせて異世界へ連れて行ってくれます。
主人公のマキアは、行動的な少女漫画の主人公のようなキャラで、とても元気に動き回ります。魔女の末裔で周囲に恐れられることがあっても、流されたりしません。彼女にひかれて優秀な人物が集まってきても、それで調子にのることもなく、いい子です。読者に愛されて、でもちょっと放っておけないウッカリがあり良いキャラです。
本作のタイトルに「1」とついていることから、複数巻出ることが予定されています。それにあわせた構想が練られていたようで、世界設定・各キャラの設定が深いです。2巻目では周辺国との位置関係をしめす図もでてきます。おそらく何巻そろい世界観やキャラのことがある程度分かってから、もう一度読み返すと更に面白くなるタイプの物語だと思います。
2巻目の感想
1巻目はちょっとした危機もありましたが、あくまでキャラの顔見せです。メイデーアの世界観とマキアとトールの絆の深さを教えてくれる巻です。2巻目は学友との交流でしばらくゆったりムードかと思いきや、ラストで唐突にブっこんできました。ものすごい引きを残していってくれましたよ。お話の構成が巧みで、引き込まれます。
3巻目の感想
4巻目の感想
5巻目の感想
ここまでで子供編・青春時代編の一区切りになっていて、ボリューム満点で圧巻でした。これまでなんで転生したのかとか、マキアはなんで命をつけ狙われるのかなど1巻目からの謎がついに明らかになります。マキアの魔法詠唱なども伏線になっていて、まさにハイファンタジーです。とにかく面白い!
一区切りとなるため主要キャラのシーンも色々あって素晴らしかったです。レピスから手紙のシーンなんて、あまりしゃべらないイメージとのギャップで感動です。救世主アイリの思いも泣けるシーンで、良いシーンの連続でした。マキアとトールの恋の進展も是非読んでみて欲しいです。大変に素晴らしかったです。
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