むすぶと本。『外科室』の一途【ラノベ感想】

2023年1月10日

むすぶと本。 『外科室』の一途
著:野村 美月
イラスト:竹岡 美穂
出版:ファミ通文庫

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アマゾンのあらすじより
本は読み手を、深く愛している。
本の声が聞こえる少年・榎木むすぶ。とある駅の貸本コーナーで出会った1冊の児童書は“ハナちゃんのところに帰らないと”と切羽詰まった声で訴えていた。恋人の夜長姫(=本)に激しく嫉妬され、学園の王子様・姫倉先輩の依頼を解決しながら、“ハナちゃん”を探し当てるのだけれど……。健気な本たちの想いを、むすぶは叶えることができるのか!? 表題作・泉鏡花の『外科室』ほか、“本の味方!”榎木むすぶがさまざまな人と本の問題を解決する学園ビブリオミステリー登場!

感想

ヤンデレ夜長姫がとっても愛らしいかったです。まちがいなくリアルにいたら面倒くさくて関わりたくないヤンデレなのに、作中の夜長姫はとにかく可愛らしいです。何でか不思議です。「ないしょの夜長姫」のページなんてズルいですよ。可愛すぎます。主人公を大好きなのがつよく伝わってきますね。
 
大筋は本が好きで本と会話ができる主人公が、本の声を聞いてその悩みを解決する短編の積み重ねです。面白いところは各話とも実在の本が、鍵となっていて本の内容にあわせて冒険もの的だったり、恋愛モノ的な展開を楽しませてくれるあたりです。私は中でも1話目の『長くつ下のピッピ』のお話が、心温まる優しさがあって特にお気に入りです。
 
本の内容がストーリーに反映されていて、本好きなら元ネタになった作品も読みたくなるんじゃないかと思います。『外科室』なんて特に気になりましたし、夜長姫も元ネタとなった作品があるみたいで気になる本が繋がっていきます。良い作品でした。
 
 
 
 

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