眠れる森の悪魔【ラノベ感想】

眠れる森の悪魔 転生少女×倫理欠落天才一族
著:鹿条シキ
イラスト:呉々
出版:オーバーラップノベルスf

  眠れる森の悪魔

アマゾンのあらすじより

武器は前世の記憶と未来の夢――

「シェリエル・ベリアルド、貴様との婚約は今日をもって破棄する」
シェリエルは婚約破棄され破滅する未来を夢で見る、ちょっと変わった赤ちゃん奴隷。
繰り返し夢を見ていたある時、前世が現代日本で生きたプログラマーだったことを思い出す!
二つの人生を知り年齢に見合わぬ知能を手に入れたシェリエルはその後、夢で見た通り『ベリアルド侯爵家』に引き取られることに――。
ベリアルド家は類稀な才能をもつ一方、共感力や罪悪感が欠落しており「悪魔」と呼ばれる一族だった。
彼らはシェリエルに対しても興味がない様子だったが、破滅を回避するためには彼らとの関係改善が必要不可欠。
悩んだシェリエルは未来の夢と前世の記憶を駆使して、少しずつ彼らとの距離を縮めていく。
そうして家族になってきた頃、シェリエルは魔法を使うための洗礼をうけることに。
しかし、その洗礼でシェリエルの持つ異質性が明らかになり――?

感想

表紙を見てください!

感情が抜けきった主人公シェリエル(中央)の表情と、シェリエルにナイフを向けて楽しそうなディディエ(右)の表情ですよ。しかも共感力や罪悪感が欠落している一族ですからね? 私はここからデディエは、主人公に執着しているんだろうと想像しました。

 

やりました予想大正解!

ディディエは完璧なヤンデレです。いいぞ! いいぞ!
それも本式に病んで重いです。監禁系ではないですが、ディディエが死ぬときは主人公もあの世にいっしょに連れて行きたがる程度に壊れています。罪悪感のない病みセリフは最高ですね。

 

ちなみに主人公はおなじみの転生者です。ただ現代の前世知識だけじゃなくそれ以外の前世知識も持っていて、騎士の前世も持っています。そうして得た知識も引き出して、ベリアルド家で居場所を築いていく流れになっているのも面白いです。

 

私がこの作品で印象的なのは、ベリアルド家の異質さです。

まあ優秀すぎて王や貴族ですら手を出すのをためらう一族だってのは、まあライトノベルあるあるとして……一族全員が共感力や罪悪感が欠落しているのはビックリです。

父は天才肌の戦バカだし、母は美のためなら人の生き血も平気で扱う美魔女、弟は言葉だけで人を殺せるかの実験をするサイコさん。みんなしてキャラ濃過ぎませんか? 
ベリアルド家だからというと、何でも許されてしまう雰囲気があり、なんとも厄介な一族です。

これにくわえてお祖父さまいますからね。一見すると一番まともに見えるイケおじですが、やっぱりベリアルドの一員です。3代そろって濃いです。

 

デディエのシェリエルへの執着は、どういう変化をしていくのか楽しみですね。
私は今は自分本位なヤンデレ感をみせるディディエも、段々とシェリエルを思いやる気持ちが高まっているように感じています。
今後もシェリエルへの執着が騒動を巻き起こすことに期待しつつ、終着点はすごく楽しみです。

 

ヤンデレやイケおじが好きな方はどうぞ買ってみてください。きっと期待に応えてくれます。

 

そうでない方でも楽しめる作品で、主人公のシェリエルは特別な魔法の力を秘めていたり、謎多い先生が登場したりとファンタジーラノベとしても純粋に読み応え抜群の作品だったりします。オススメです。

 

 

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