2023年1月10日
ノベルゼロの大半の作品が、ありがたいことに電子化されていました。
「大人になった、男たちへ――」のコンセプトで立ち上げられ、どんなレーベルだったのか? どうなったか? は、 【KADOKAWA NOVEL 0 ノベルゼロとは、どんなレーベル? 】その1 および その2の記事で説明しています。こちらはジャンルでのおすすめまとめ記事です。
ジャンルはファンタジーです。ノベルゼロでは、そこまで作品数が多くないジャンルなんですが、意外と大人向けで強く売っていた初期に多く出ています。
人と魔族が共存する世界で人魔社会の平和維持で、調停局の新人実働官ライルくんが奮闘する作品です。ヒロインを務める魔族の女の子(1巻目ユニコーン、2巻目烏天狗)とコンビを組んで、知恵と技術と根性で強力な魔族に立ち向かいます。何度倒れてボロボロになっても、根性で立ち向かうライルくんのバトルがとくかく熱いです!
個性が強すぎて魅力的な登場キャラクター達との洋画みたいな掛け合いや、テンポ良く場面が移り変わっていくシーン構成等とても楽しい作品です。
主人公が修行をしなくても魔法が使える技術を発見したところ、技術を受け入れる魔法使いと拒む魔法使いで派手な抗争に巻き込まれて……と現代を舞台とした能力バトルものです。
主人公と彼を護る魔女との恋愛小説?と思うような甘いストーリーと、血なまぐさい魔女の戦闘シーンとの対比が強烈で印象深いです。言葉を使わずにメッセージを伝える表現、2人の交じった感情を伝える表現など表現方法も凝っています。
是非、文章を読んでみてください。
皿の上の聖騎士 ― A Tale of Armour ―
絶世の美女にして一騎当千の戦士。聖騎士伝説の血筋にして、その血に恥じない聖騎士アシュリーと彼女の弟にして主人公のアイザック、二人の冒険物語です。ファンタジーの王道を歩むような作品で文句なしに面白いです。霊獣によってバラバラになってしまった聖騎士の鎧を求めて、各巻ごとに新しい国・新しい世界の冒険が待っていて楽しいです。
妙に人間くさい霊獣や、ブラコンな姉との兄弟トークなどの緩のシーンと、強敵との目を離すことができない激アツなバトルシーンな急のシーンを全て楽しめます。ラノベ好きへ広くオススメします。
吸血鬼や屍鬼、魔獣などの強大な怪物がはびこり、人と怪異の生存闘争が続く世界で、人類最強の怪異ハンター、ノア・イースヴェルトが一人戦い続ける旅の物語です。
人の中に潜む怪異を狩るために、情報を集めて借り出し追い詰める。人の身で怪異を倒すために罠を張り準備する。調査・推理パートからはじまり、怪異との攻防へと自然にストーリーが流れていきます。本シリーズは調査や戦闘など1巻に詰め込まれている密度が濃く、読んだ内容がストーリーと複雑に絡み合っています。特に1巻目の不死者の少女と不死殺しの王は、単巻での内容の濃さはノベルゼロで屈指の名作です。1巻目だけでも読んで見てください。
美人上司とダンジョンに潜るのは残業ですか
カクヨムの書籍化でライトで読みやすい現代+ダンジョンラブコメファンタジーです。ダンジョンが存在する世界で、主人公の牧野は学生時代にプロハンターとして名を馳せた存在。事情があって普通に就職したところ、美人上司のダンジョンアタックを手伝うことなって…というストーリーです。
上司の黒木主任は美人で仕事も完璧なのに、ダンジョンに入ると何故かへっぽこと牧野とはどうにも正反対です。そのギャップ感が楽しいラブコメです。年上ヒロインが好きならば読みやすくて良いと思いますよ。
最強のブラック公務員田中とヴァンパイアキャットの姫君
モンスターが共存し、人類と共存をしなくてはならない日本で、彼らとの交渉人・田中のハチャメチャな活躍とヒロインの百合夜を愛でるコメディーファンタジーです。
主人公の田中は、優秀な国家公務員です。ブラックやりがいがある労働をこなしていたら、なんでもできる最強になったサイタマ理論の持ち主です。彼の持つ名詞が「田中タナカ」だったり、作中で不自然な田中押しがあったりで彼は真面目な顔でギャグ要員です。真面目なパートはヒロインである百合夜の担当と人とモンスターが共存する苦労は、彼女が説明してくれます。百合夜は猫又とのハーフで、耳や尻尾を威厳がないと恥ずかしがるラブコメ要員なんですよね。かみ合わない二人の様子が調和して、笑えるコメディーに仕上がっています。ライトな作品が好きな方にオススメします。
命数シリーズ 滅びゆく世界と、間違えた彼女の救いかた 死にゆく騎士と、ただしい世界の壊しかた
世界を救う神子をそれを護る騎士の旅物語です。
旅の目的は星を救うための試練で、「十の天命」、数百年かけて10の試練のうち6つしか達成されていません。歴代の神子が達せなかった試練の残り全てを、二人で成し遂げてみせる。神子の旅は、「命を犠牲にして天命を一つ達成する」との定めを抗ってみせると悲しみを背負った旅です。
本シリーズは2冊構成となっていて、どちらから読んでも1つの物語として完結するようになっています。どちらが1冊が欠けても成り立たない素晴らしい物語です。個人的には「滅びゆく世界」→「死にゆく騎士」の順で読むと時系列が繋がるので推奨です。レーベル末期にこんな名作に出会えて良かったです。
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