おばあちゃんは冒険者【ラノベ感想】

2023年1月10日

おばあちゃんは冒険者
著:佐月 詩
イラスト:弥南 せいら
出版:KADOKAWAの新文芸
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アマゾンのあらすじより

相田るり子(八十歳)は事故の衝撃でショック死した……はずが、目を覚ますとそこは異世界。そして隣には事故に巻き込まれた青年伊川翔もいた。混乱する間もなく、骸骨兵の大群に襲われ窮地に追い込まれるのだが、るり子の持っていた麦茶と手押し車で撃退する。やっとのことで迷宮都市ローマンに辿り着いた彼らは、街の人々の力を借りながら生活基盤を整えるのだが……。最強後衛職のおばあちゃんと前衛最強の青年との異世界冒険譚、開幕です。

感想

新感覚の転生スローライフです。まるで転移のような状態で主人公(80歳)は、80歳の姿で異世界に降り立ちます。転生ボーナスに健康を祈ったので体の不調こそ解放されたものの、せいぜい元気なおばあちゃん程度の身体能力です。そんな穏やかな淑女が、見て感じた異世界生活をやさしく語る調子でストーリーは進んでいきます。実際は派手なことでもトーンが抑えられ、スローライフ感のなる物語になっています。
 
面白いなぁと感じたところとして一緒に転生した青年は、よくみる異世界転生の主人公らしく描かれているところです。オラオラ系でコンピューターゲームに慣れていてステータスやスキルを駆使しちゃってます。転生チート能力を得た彼を冒険の主人公に据えて冒険パートは動いていきます。
 
それに加えて青年は、毒蝮さん的に口が悪いものの主人公(80歳)に非常に親身です。まるでお婆ちゃん子と孫のような関係性ですね。その様子は物語を通して描かれていて、優しさにあふれた物語の展開になっています。
 
主人公が80歳の姿で転生していたり、壊れ性能な専用アイテムを持って転生を手にしていたりとブっ飛んだ内容が多いです。でも不思議とお婆ちゃんの語りを通すと落ち着いたスローライフに見えてしまいます。派手さが無いように見えてしまうかもしれません。なんとも言えない味わいのある個性的な作品だと思います。私はこういうのだいぶ好きです。
 
おばあちゃんは冒険者
佐月 詩
KADOKAWA
2020-04-30
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