オルクセン王国史【ラノベ感想】

2024年2月18日

オルクセン王国史
著:樽見 京一郎
イラスト:THORES柴本
出版:サーガフォレスト

  オルクセン王国史

アマゾンのあらすじより

「銃と魔法」の時代。オーク族を筆頭に多数の魔種族を擁する連合国家オルクセンと、美しいエルフたちの国エルフィンド。歴史的対立を深める両国家の国境で、オークの王グスタフと、故国を追われたダークエルフ氏族長ディネルースは、運命の邂逅を遂げた……。平和なエルフの国を、野蛮なオークが焼き尽くす――そんな「異世界ファンタジーあるある」の常識を覆した異世界戦記がここに誕生!

感想

「銃と魔法」に「オークとエルフ」。
ミリタリ成分たっぷりな現代ファンタジーで面白かったです。

オークはエルフの森を焼かなきゃね?の一時期はやったネタの作品だと思っていたら、エルフに村を焼かれたダークエルフとオークが手を結び、エルフの国を焼こうとするとは……。とんだ変化球でした。
そしてオークなどファンタジー種の特徴が作品に生かされていて面白いです。ミリタリ好きな人へは特にオススメします。

 

主人公はオークのグスタフ、現代からの転生者です。紳士なオークです。

そんな彼がプロイセンのフリードリヒ大王みたいに軍事改革をしまくって、銃を装備した現代的な軍隊を組織しているんです。ライフルを手にしたオークの軍隊が、強大なエルフの隣国を蹂躙しようとする刺さる人にだけ徹底的に刺さる作品だと思います。

 

だってねぇ、オークの散兵とダークエルフの騎兵、ホークマンの航空偵察兵……。ミリタリとファンタジーのどっちも好きだったら、種族と編制を考えるだけでテンション上がっちゃいますよね? ファンタジー種族の独立混成旅団とか私だったら軽く一晩明かせてしまいそうです。

なにしろ本作はファンタジーとリアルさを組み合わせるのがとにかく上手なんですよ。数字をだして示してくれるのもいいですね。

 

まずオークだから大柄で人間の何倍も飲み食いするし、粗食は耐えられない。だから徹底して食料生産能力を上げて、食事の質も徹底的にアップさせる政策をとる。
そういった種族特徴が生かされてオークの軍隊ができあがっています。
食事シーンは圧巻で人間なら7-8人で切り分けるサイズのパンが、オーク一人分のパンだったりします。

他にもオークは力に優れるので大量の装備を持ち歩ける前提の戦術とか、オークは大柄なため輓馬ぐらいしか乗れる馬がなく騎兵になれないとか、いちいち設定が細かいのもたまりません。

 

1巻目は主人公とダークエルフの邂逅、世界感の紹介といったところでしょうか。エルフの国と本格的な戦いは次巻以降に持ち越しです。読む限りオークの国は、軍事技術・兵量・兵のモラルとも突出していて負ける要素は感じられません。ただなんとなく簡単に勝たせてくれないような気はするんですよね。

是非とも津づを出して先を読ませて欲しいです。

 

 
 

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