お局令嬢と朱夏の季節【ラノベ感想】

2023年9月18日

お局令嬢と朱夏の季節 ~冷徹宰相様との事務的な婚姻契約に、不満はございません~
著:メアリー=ドゥ
イラスト:Shabon
アース・スター ルナ

  聖女と悪魔の終身契約

アマゾンのあらすじより

婚約破棄されて行き遅れた事務職のお局様
宰相様との事務的な契約結婚のはずが……
実は心の底から愛されてる!?

「君に婚約を申し込みたい」
職務中に上司である宰相閣下、イースティリア・ウェグムンド侯爵から淡々と求婚された事務官の子爵令嬢アレリラ。
敏腕で冷徹な宰相様には家格の問題で結婚できない想い人がいるとの噂があるし、行き遅れのお局令嬢の自分との結婚など形だけの契約結婚だろうと、彼女は申し出を受けることに。
こうしてお飾りの侯爵夫人となったはずのアレリラだったが、とある夜会の席で、イースティリアが愛しているのは彼女自身だと告げられて───!?

二人そろって仕事人間な堅物夫婦が、愛と職務に邁進する新婚生活の幕開け!

感想

面白かったです。
堅物すぎる行き遅れお局様と、イケメン優秀だけど事務的すぎる宰相様の甘甘ストーリーです。

 

2人きりなのにお仕事モード全開な主人公と宰相様ですね。
恋愛に不器用すぎて甘い言葉なんて全く出てこなかった宰相様が、後半になると大好きを隠しきれなくなるなんて甘かったですねぇ。変化していく2人の心情が楽しかったです。

 

そして主人公たちの堅物夫婦と対をなすヤワヤワな夫婦も出てきまして、それがボンボリーノ伯とアーハ嬢です。彼らは語尾は伸ばした口調で、裏表なくゆるフワとインパクト大な夫婦です。

ボンボリーノ伯がとても良いキャラでした!

 

実はボンボリーノ伯は、主人公の婚約者で婚約破棄をしてきた張本人です。そしておバカ、お堅い主人公とは真逆のタイプですね。

それが単純な「婚約破棄ざまぁ」となっていないのが、すごくいいなと感じました。

たしかに婚約破棄してきます。でも何故、婚約破棄をしたかの理由もちゃんとあるんです。しっかりと納得できる理由で、そういうことならボンボリーノ伯は、悪人じゃないと思えてしまえるんですね。
おバカですけど勘が鋭くて人望はありますし、確かに彼の発言を見返すと優しさも垣間見えるんです。

登場するキャラに色んな焦点を当てて、単純にざまぁを実現するだけの嫌われ者がいない作品です。
私は安易なテンプレ展開じゃ終わらせないぞって作者さんの意思を感じましたね。こういう丁寧な作品大好きです。

 

あとがきでweb版では、全てをボンボリーノ伯が掻っ攫っていったっとあるのも納得です。彼はトップクラスでお友達になりたいお貴族様です。

 

2巻目の感想

アレリアとイースティリアは、相変わらず堅物ですね。嫉妬を覚えたりスキンシップを図ったりとステップアップしていますが、まるで中学生のようなピュアピュアさです。仕事中のバリキャリ感とのギャップについニヤニヤしてしまいました。

 

そして本作といえば脇役たちですよね。ボンボリーノはまたもおいしい役回りを……。なんでキミが誘拐されているんですかね?そこは主人公や令嬢の魅せ場でしょうに。

しかもボンボリーノときたらお馬鹿なのにお話の本質を簡単に打ち抜いてくるし、さらっと悩みを救うような一言をいうし、またも良いところをもっていってくれてました。
彼の下手な嘘を見抜きながら、黙って合わせてくれるアーハ嬢もまた良かったですね。夫婦そろって最高です。

 

ここに加えて訳ありだらけのお祖父ちゃんとか、ポンコツ妖女ロンダリィズのサイドストーリーとか、どんだけサブキャラを魅せてくれるんでしょうね。ロンダリィズに至っては、サイドストーリーといいつつ約100ページです。

それでしかも主役級に魅力的なんですよ。彼女は容姿や仕草は歩く傾国の美女みたいに妖艶なのに、中身はピュアな少女とかどんだけ異性キラーなんでしょうね。そりゃぁ堅物イケメンも陥落するわけですよ。えぇ読者なんてあっさり陥落ですよ。
本編共々おもしろかったです。

 

多感な青春時代は仕事で過ぎ去り、成熟した朱夏で伴侶に巡り会う。タイトルに込められた意味も明らかになり、2人の恋の行く末も楽しみです。3巻目を楽しみにしています。

 

最初人物相関図を見たときにキャラが多いと思いましたが、全員しっかりと印象に残っています。語りたくなるキャラがたくさんいて面白かったです。
是非とも続刊に期待します。オススメの令嬢ものです。

 

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