貴腐人ローザは陰から愛を見守りたい 【ラノベ感想】
貴腐人ローザは陰から愛を見守りたい
著:中村 颯希
イラスト:わるつ
出版:KADOKAWAの新文芸
アマゾンのあらすじより
妄想乙女、救国す!?
ローザは美貌と慈愛深さで知られる伯爵令嬢。
しかし実際は、薔薇愛、つまり男同士の恋愛に妄想をたぎらせ
己の萌えを追及しまくる貴腐人であった。
14歳のある日、千年に一人の理想の「受け」逸材である異母弟のベルナルドと
(一方的に)運命的な出会いをしたローザ。
すぐさま「ベルたん総受け計画」を策定し奮闘するも
その腐りきった振舞いがなぜかことごとく高潔な行いと勘違いされ――?
王子や王女、さらには異国の王子まで巻き込んで
ローザの妄想が国中に影響を与えることに!?
感想
徹底したコメディで終始笑いっぱなしでした。
ローザ様ときたら徹底的に腐りきってます。BL脳で男性が2人いればBL妄想をし始めます。
なんなら無機物相手にだってBL妄想できてしまう強者で、完全に手遅れさんでした……
BLに染まりきったローザ様が欲望まみれな発想で行動しているのに、周囲はなんでかローザを理想の聖女として持ち上げる勘違いものの構図となっている作品です。
最初にイラストを見たときはローザ様って、完璧なお嬢様の外見をしているんです。そう見た目は完璧なんですよ。
根は善人なんですけどね……ただ完全に発酵しきった貴腐人です。腐っています。
腐な奇行に終始読んでいて、ツッコミを抑えきれませんでした。
本作、ツッコミ役が恐ろしいことに不在なんですよ……
「腐腐腐…」ってローザ様が笑うシーンや、清貧を尊ぶ修道士が「ブラザー」と呼びかけるシーンがあろうものなら、「ブラザーなのね!!!」ってローザ様は大暴走しだすんです。興奮のあまり鼻血だして卒倒までしちゃいますし。
全く油断できず楽しかったです。
たぶんローザ様が奮闘する「ベルたん総受け計画」も読者には、早々にあこれ無理なヤツって分かったしまうんじゃないかと思います。だってベルたんを受け育つよう愛情を注げば注ぐほど、ベルたんはローザ様の騎士になろうとがんばってかっこいい男性(攻めポジ)に転じていくのは明確ですからね。
それでも気づかずに突っ走るのがローザ様なのかなあ。
やおいスキーのローザ様と百合スキーの叔父との交わらない舌戦(?)も笑ったし、どのシーンでもローザ様はいつも充実して楽しそうなのもよかったです。
笑って息抜きができ、明るい作品を読みたい方にオススメのコメディ作品です。
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