冒険者酒場の料理人【ラノベ感想】

冒険者酒場の料理人
著:黒留ハガネ
イラスト:転
出版:GAノベル

  冒険者酒場の料理人

アマゾンのあらすじより

剣ではなく包丁を、盾ではなく鍋を手に、
魔法のごとき調理法(アイディア)で戦う一人の料理人と、酒場に集う冒険者たちの物語。

迷宮を中心に成り立つこの街の食事事情は貧相で、冒険者にとって食事は楽しむものではなかった。
現代日本からこの世界に流れ着き酒場の店主となったヨイシは、
せめて酒場に来た客にぐらいは旨い飯を食わせてやろうと、迷宮産の素材を調理した料理――『迷宮料理』を開発する。

石胡桃、骨魚、霞肉に紅蓮瓜……誰もが食べられないと思っていたそれらを、
現代知識を活用した製法で、絶品の料理にしてしまうヨイシの店は、連日連夜の大賑わい!

今日も可愛い看板娘と腹を空かせた冒険者をさばき、酒場の夜は更けていく。
――さて。そろそろ新しい料理を開発する頃合いだ。

「なあ、新しい迷宮料理を開発しようと思ってるんだけど。次はどんなのが良いかな?」

冒険者が持ち寄る素材を調理し、至高の料理を披露しよう。

感想

異世界で居酒屋をやるお話です。

特筆すべきなのは本作の異世界だとダンジョンさんの食材って、癖強すぎてまともにたべることができないんですよ。だから見向きもされていないゴミ扱いな素材を主人公ヨシイが創意工夫を繰り返して美味しい料理に仕上げていくところです。
美味しいものを食べて幸せになって欲しい。そんな食への思いを強く感じるあたりが好きな作品です。

 

日本食を異世界で再現するって人気要素に、まともに食べられないダンジョン産の食材を加工するクラフト要素が入っているのも特に面白かったですね。

煮たり焼いたり干してみたり、DIYに通じる楽しさなんですよ。でてくる食材ときたら骨だらけ堅く食べる部分がない骨魚とか、美味しいけど翌日におなかを下す糞桃とか、ファンタジーらしさマックスな食材ばかりです。
それに動物系モンスターの肉はダンジョンから持ち出せないと、とっても世界はファンタジーです。

そんな世界で主人公は現代日本知識をつかって食材を加工するだけじゃなく、時に口にしてトイレ立てこもるって体当たりまでしますからね。試行錯誤のDIY感がとても楽しかったです。
異世界での村づくりとか無人島開拓をする作品が好きな方にはオススメしたいです。

 

あとは美味しいものを食べて幸せになって欲しいって、やさしい気持ちにあふれていたのも癒やされ要素でよかったですね。

作中で主人公は店の前でお腹をならしていた少女に手の差し伸べるんシーンがありあす。その時の彼女が表紙の中央にいる少女ウカノです。
主人公とウカノの関係は親子そのもので、よりいっそう心温まるエピソードの数々になっています。
口絵にあった「ありがとう、おとうさん」のシーンはただただ泣けました。

 

異世界で食堂をやる作品や異世界での村づくり内政系の作品が好きな方へはオススメです。

 

 

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Posted by kyoikyoi