世界救い終わったけど、記憶喪失の女の子ひろった【ラノベ感想】
世界救い終わったけど、記憶喪失の女の子ひろった
著:龍流
イラスト:紅緒
出版:TOブックス
アマゾンのあらすじより
「私に世界【はじめて】を教えてください!」魔王を倒して燃え尽きていた勇者は、謎の敵に追われていた赤髪の少女に一目惚れした。助けようにも、追手の目的は一切不明、さらに当人は記憶喪失!?食いしん坊で天然そうなこの子に一体何が?
少女の秘密を探るために、勇者はかつての仲間を訪ねる旅に出る。腹黒な賢者、脳筋の姫騎士、千歳の幼女、成金の死霊術師。愛が重いパーティーメンバー達に「「「「あの女は誰ですか?」」」」と問い詰められながらも、皆の固有魔法で次々に刺客を圧倒!
だが、遂に黒幕を追い詰めたその時、「赤髪に恋すると、世界が滅ぶ」と意味深に告げられて──。君が誰であっても、必ず救う。隠居勇者が最強パーティと一人の少女の過去を辿る、リライフ・ファンタジー開幕!
感想
展開はタイトルそのまんまな作品です。でも構成とか日本語のまわしといったタイトルでは、説明しきれない素敵な良さをもった作品でした。終盤で畳みかけてくる仕掛けは、非常に良かったです。
世界を救った後のお話です。勇者が記憶喪失な赤髪ちゃんをひろって、彼女は誰かを調べます。そうしていると何故か襲われるので切り抜けていくってのが大きな流れです。
いろんな仕掛けが面白いんですよ。この作品。
赤髪ちゃんは、自分の名前ぐらいしか覚えていない記憶喪失です。それに対して勇者は、魔王を倒した時の呪いで人の名前を覚えられない。聞いても文字で書かれても認識できないって呪い持ちなんです。だから名前を読んでほしいとしても呼んでもらえません。もう名前をいつ読んであげられるか序盤から気になってしまいました。
そしてこの勇者と赤髪ちゃん以外のキャラもまた魅力的です。
みんな勇者のパーティメンバーです。ハーレム的にいろんなタイプの美女がそろっています。でもってみんな曲者でした。彼女たちがみんな重くて面白いですよ。みんな誰を推すか悩むほどのヒロイン力でした。
「ドM」「無口」「脳筋」「腹黒」の4ヒロインで帯では、”重すぎる彼女達と再び世界を救え!”とまで書かれてしまっています。みんな気なる娘ばかりでした。
それでいながら終盤では、一気にきっちりとしたお話になります。前半との落差の大きさでインパクト特大となっています。
あえてヒロインのタイプが、バラバラだったのにも納得のラストです。
作品の構成です。この良さが飛びぬけて印象的で面白かったです。文章を読ませるタイプのファンタジ―ラノベを好きな方にオススメします。
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