小国の侯爵令嬢は敵国にて覚醒する【ラノベ感想】

2022年12月18日

小国の侯爵令嬢は敵国にて覚醒する
著:守雨
イラスト:藤ヶ咲
出版:PASH!ブックス

  小国の侯爵令嬢は敵国にて覚醒する 小国の侯爵令嬢は敵国にて覚醒する

アマゾンのあらすじより

「我々が要求したのは花嫁ではなく賠償金です」 嫁がされた敵国で待っていたのは、夫となる将軍の 拒否と冷遇だったーー ベルティーヌは豊かな小国の宰相の娘として育った侯爵令嬢。 しかし結婚を目前に控えたある日、戦争の賠償金の一部として 戦勝国の代表・セシリオに嫁げと王命が下る。 絶望と諦めを抱えて海を越えたベルティーヌだが、 到着した屋敷にセシリオは不在で、 使用人達からは屈辱的な扱いを受ける。 「親も身分も頼れない。この国で生きて力をつけてやる」 そう覚悟した彼女は屋敷を飛び出し、 孤立無援の敵国で生きるための道を切り拓いていくーー。 商才を隠し持った令嬢と、”野蛮な戦闘狂”将軍の 誤解と取引から始まる恋物語。

感想

強い女性主人公が、本人の意思とは関係なしに苦境に放り込まれながらも、前向きに生きて切り開いていく物語です。私が好きな流れのお話で面白かったです。

なんといっても主人公ベルティーヌの行動は、心地よかったです。ベルティーヌが純粋に善意をもって人に接すると、それが善意となって返ってくるんです。
困っている人に手を差し伸べる。不平等を解消しようと知恵を働かせる。そうやってベルティーヌが行動すると、善意の好循環が起こってみんなが幸せになるんです。とても素敵なお話でした。

スローライフとはちょっと違いますけど、内政を中心にした国造りものが好きな人には、強くお勧めします。基本的に善人なキャラが多いのもあり癒されるお話でした。主人公のことを無からお金を生み出す錬金術師のようだとは、とても分かりやすい表現だと思います。

またあらすじに書かれている恋物語の部分です。上巻からずっと続く本作の大事な要素の1つです。主人公と戦勝国の代表との恋模様ですね。
私の印象として恋の様子は、甘い恋の様子ではなく相手を尊敬して気づくようになる大人の恋愛という感じでした。恋愛要素は抑えめなので男性でも読みやすいんじゃないかと思います。

 

また物事を色んな見方をして、一方的に善悪を定めないところもこの作品で好きなところです。
例えば側室のお話のところです。側室本人は見染められてしまったばっかりに輿入れをして、それでいて正妻の付人から不当な扱いを受ける。でもそれって側室の当人には、何の罪もないですよねとか、正妻本人も男子を一人しか生んでいない以上、王妃として側室を受け入れるのは当然、とか一面的な書き方じゃないんです。
こういうった丁寧な描写は、守雨さんの作品ならではかなぁと感じています。

 

ベルティーヌの魅力が凄くて、上・下巻でも一気に読めてしまいました。
彼女は行動力にあふれていて全く飽きませんね。天性の素質で売れそうな品物を見つけだすのも面白いです。楽しかった!

 

 

 

 

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