特級探索師への覚醒【ラノベ感想】

特級探索師への覚醒 〜蜥蜴の尻尾切りに遭った少年は、地獄の王と成り無双する〜
著:笠鳴小雨
イラスト:七原しえ
出版:マッグガーデンノベルズ

  特級探索師への覚醒

アマゾンのあらすじより

英雄として生まれ変わるには誰かが死ななければならない。王道ダンジョン攻略ファンタジー、開幕!! 探索師を育成する国立探索師高校に在籍する天城典二(テンジ)。日本でも指折りのギルドである「Chariot」とともに、テンジは御茶ノ水ダンジョンに依頼探索へと臨んだ。本来ならば安全に終わる探索だったが、ダンジョンの構造変化が起き、帰り道がわからなくなってしまう。 そんななか、強大なモンスターと遭遇した一行は全滅の危機に瀕し、散り散りになる。そしてテンジは、その場にひとり取り残され――。

感想

表紙とタイトルから一人勝手に和風ファンタジーと思い込んで買いました。そしたら和テイストを感じるダークな現代ダンジョンファンタジーでした。

 

ゲームっぽいダンジョンが地球に現れてから、《天職》というスキルみたいな特殊能力をもった人が生まれるようになった世界観です。そしてダンジョンから貴重な物質が取れるので、ダンジョンに潜る探索師を育成する学校が存在します。主人公のテンジはそんな世界で国立探索師校に通う高校生です。

主人公のテンジは苦労人ですね。

妹の治療費を稼ぐために、《天職》を得る前なのに荷物持ちとしてダンジョンに潜ってます。本当であれば学校に通いながら探索師としての実力を身につける年齢なんですけど、治療費のためにダンジョンアタックを続けているんです。

そうやってクラスメートと差がついていくことに主人公が感じる焦燥感、優秀な《天職》を得て明るい将来が約束されたクラスメートとの違いからくる劣等感。序盤で見せつけられる抑圧感は、なかなかに強かったです。ダンジョンがあるファンタジーでも、現代日本が舞台なだけによりシビアさと生々しさが光っているように感じました。

 

抑圧され続けてきた主人公が、自分でも知らなかった力に目覚めて最強へ駆け上がっていく王道展開です。
そして命が軽くて容赦なく探索者に犠牲者が出ます。主人公も散々酷い目に遭います、物理的にも精神的にも。極限状態とはいえクラスメートからあの仕打ちはキツいですよ……。

 

それから強力な《天職》に目覚めても、命がけな努力をしないと強さを手にできないあたりも面白いです。
例えば使役能力を得たりするんですが、能力を得る試練がルナティック難易度なんですよ。即死トラップが散りばめられたなか正解を探していく厳しさです。ダンジョン攻略とキャラ成長が好きな方にはハマれると思いますよ。

 

1巻目はまだまだ序盤といった感想です。段階を踏んで主人公が強くなっていく課程をおえるのは楽しくて、続きも読んでみたいです。

 

 

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