悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。【ラノベ感想】
アマゾンのあらすじより
ケジメを付けろ!? 型破り悪役令嬢の破滅フラグ粉砕ストーリー、開幕!「聞こえませんでした? 指を落とせと言ったんです」その日、『悪役令嬢』のキリハレーネは婚約者の王子に断罪されるはずだった。しかし、意外な返答で事態は予測不可能な方向へ。少女の身体にはヤクザの女組長である霧羽が転生してしまっていたのだった。お約束には従わず、曲がったことを許さない。ヤクザ令嬢キリハが破滅フラグを粉砕する爽快ストーリー、ここに開幕!
感想
タイトルの悪役令嬢と冒頭の婚約破棄シーンはぶん投げられて、まさかな高倉健さんの唐獅子牡丹ばりの任侠ストーリーでした。面白いです。面白いんですけど悪役令嬢を期待していると、肩すかしを食らうんじゃないかと思います。
主人公のキリハはヤクザの女組長で、彼女が乙女ゲーの悪役令嬢に転生です。そして呼び寄せたのは表紙後ろにいる執事のジェラルドです。まぁ乙女ゲーの主人公候補は別にいてキリハは、巻き込まれ転生なんですよね。
ヤクザの女組長が主人公の時点でトリッキーなのに加え、乙女ゲームの主人公ユリアナはサークルクラッシャーな自己中ときます。姫プレイして人の物を奪うのが好き、悔しがる顔を見るのが好き、世の中は自分のため存在して自分のために誰かが犠牲になっても気にしないと正真正銘のクズです。義理と人情を重んじるキリハと対極の存在です。
ユリアナが巻き起こした乙女ゲーのいざこざを、キリハが正面から踏み抜いてななめ上に解決していくコメディが面白いです。「乙女ゲームがどうしてこうなった…」の連続ですよ。イベントの数々が笑えます。個人的にはメガネ委員長キャラことリッタニアの変わりっぷりが、「どうしてこうなった…」で印象に強いです。
主人公とラスボス(ヒロイン)の描き分けがハッキリしていて、好対照なのが良いですね。そのおかげで正面からラスボス(ヒロイン)の策をぶちやぶって、強敵と和解する少年マンガみたいな楽しさを感じました。爽快感ストーリーです。
公爵令嬢なのに清水の次郎長ばりな仁義を切ったり、義兄弟の杯を交わすシーンがあったりするのが本作です。男性読者向けで爽快な任侠ものです。テンポが良いコメディ寄りの作品が、好きな方にオススメです。あ、話しの切りが良いので2巻目までの通し読み推奨です。
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