養蜂家と蜜薬師の花嫁【ラノベ感想】

養蜂家と蜜薬師の花嫁
著:江本 マシメサ
イラスト:笹原 亜美
出版:モーニングスターブックス

養蜂家と蜜薬師の花嫁 養蜂家と蜜薬師の花嫁

アマゾンのあらすじより

オクルス湖のほとりで暮らすイェゼロ家は、養蜂業を営む大家族。イェゼロ家の男どもは皆働かず、十四番目の子として生まれた末っ子のイヴァンだけが、幼い頃から十三人の兄に代わって必死に一家を支えてきた。家族にこき使われるイヴァンだが、偶然出会った山の男・マクシミリニャンから「一人娘のアニャを嫁にもらってほしい」と懇願され、実家を離れることを決意。そこで初対面した花嫁のアニャは、蜂蜜を使って人々を癒すという“蜜薬師"だった!?
苦労人な養蜂家と蜜薬師の新妻が、大自然の中で送る賑やかでスイートな新婚生活。美味しいものたっぷり&幸せ満載な、癒しの山暮らし物語!!

感想

サキイカスルメさんからのおすすめの作品です。
養蜂を中心に農業や冬の手仕事などDIYなスローライフと人間の絆や家族愛に癒される作品でした。とても良かったです。
スゴいと感じたところは、毎日暮らして生きること。そのこと自体が起伏にとんだストーリーとなっていて面白いんです。英雄はいませんし冒険もありません。しかし毎日違った一日ってのは、やってくるんですよね。

それからイヴァンとアニャの初々しい新婚期間が、ずっと続く甘酸っぱい感じなのも良いですよ。そしてマクシミリニャンやツヴェート様とのお互いに相手を思い合う家族みたいな温かい生活も良いですねぇ。

なおマシメサさんの本作は、優しいだけのスローライフじゃありません。辛い現実にきっちり触れられることで作品の温かみが強まっているような気もします。
例えば序盤にある実家でのイヴァンが、体よく便利使いされ続けているシーンとかアニャが、結婚に踏み切れない大きな悩みとかです。これらの重いシーンでは、ラノベでそこまで踏み込むのってくらい踏み込んでいます。
でも我々の実際の暮らしを思うとアニャの悩みなんてのは、ものすごくありえるお話だと思います。そしてその場合は、自分で折り合いをつけて前に進んでいくしかありませんからね……
本作でのイヴァンが、寄り添って支えてくれたみたいに。

 

暮らしの中で家族のこととか家事にお仕事なんかで、ストレスを感じて疲れを覚えた時に読んでみてほしいです。
蜂蜜の効いた焼き菓子をお供に読書なんて最適だと思いますよ。
ちょっとのあいだ現実を忘れて、温かい暮らしに癒されてみてください。

 

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