悪役令嬢たちは揺るがない【ラノベ感想】

悪役令嬢たちは揺るがない
著:八月 八
イラスト:春野 薫久
出版:KADOKAWAの新文芸

   
悪役令嬢たちは揺るがない

アマゾンのあらすじより

折れない心=メンタルつよつよヒロインたちの反撃!
王立学園に聖女見習いの田舎男爵の庶子アイニ・ミッコラがやってきて半年。今学園は混乱の極みにあった。貴族子息である男子生徒たちはアイニの無邪気で天然な可愛らしさに翻弄され、女子生徒たちはアイニの貴族マナーを無視した振る舞いに困惑し憤りを覚えていたからである。そんな中、巷で流行の物語になぞらえて「悪役令嬢」と呼ばれることになった三人の令嬢たちがいた。王太子の婚約者で清廉な侯爵令嬢セラフィーナ。商売で裕福な子爵家の気高き令嬢サンドラ。現宰相の侯爵家の聡明な令嬢ベルナルデッタ。いつしか学園内に不穏な空気が漂い始めた時、彼女たちがついに立ち上がる! アイニの間違いを正し、自らの心のままに進むために。
これは三人の「悪役令嬢」たちと聖女見習いが繰り広げる、女たちの生き様をかけた戦いの記録である――。

感想

悪役令嬢サイドが主役の作品です。窮地にあっても強い意志で居場所を勝ち取っていくのが気持ちよかったです。

”これは三人の「悪役令嬢」たちと聖女見習いが繰り広げる、女たちの生き様をかけた戦いの記録である”とあって、聖女と悪役令嬢の抗争?というのを懸念しましたが、思っていたよりカラっとした感じなのもよかったですね。
対立する聖女は不必要に悪人として描かれていないのも好きです。

 

作品の建て付けは、庶民的で天真爛漫な聖女見習いが学園にやってきて、王太子や有力者の子息を攻略していく乙女ゲー定番のアレです。

そして主役は悪役令嬢たちで、聖女になびく婚約者と聖女にビシッと貴族の正しさを説くんです。それに対して聖女もメンタル激強で「政略結婚じゃなく恋愛結婚でしょ」と一歩も引かず口論は激し目です。
これって貴族の理論と庶民の理論でどっちが良い悪いじゃありませんからね……。争いがどこ落ち着くかラストまでずっとハラハラでした。

それから本作の特徴は悪役令嬢が3人いて、それぞれの視点を切り替えてお話が進んでいきます。登場するのは、王太子の婚約者で清廉な侯爵令嬢セラフィーナ、商売で裕福な子爵家の気高き令嬢サンドラ、現宰相の侯爵家の聡明な令嬢ベルナルデッタです。

3人とも違った魅力を持った悪役令嬢で、私はなかでもサンドラが好きでした。
表紙だと右端にいる金髪縦ロールの娘です。物いいとか一見の性格はキツいんですが、商家の娘であることを理解して自らの役割に全力投球なんです。パーティーへ行きまくるのも流行を創って、経済をまわしたいからって理由があるんです。

またサンドラのストーリーには婚約者の弟とのからみもあって、この兄弟の対比も面白かったです。
サンドラ本人も性格のキツさを自覚していて、親が決めた結婚でしか相手ができないだろうと理解していたんです。だから婚約者とは浮いた恋の話なんて一切無かったところ、婚約者の弟から熱心なアプローチ。それに心を動かされるサンドラ。
普段のキツい様子と恋愛でのギャップ感がとてもよかったです。

 

そんなふうに面白かっただけに、もっとボリュームがあれば更によかったのにと思うところです。
悪役令嬢側の主人公が3人、その婚約者が3人、+アルファのキャラが登場します。そして視点変更をして話が進むため一人あたりのボリュームが限られてしまっているんです。
しかも同じイベントに対し視点を変えて繰り返すので、読めるイベントも限られているんです。

悪役令嬢も見習い聖女もいいキャラで他の作品では読めない切り口なテーマだっただけに、もっと各キャラのお話を読んでみたいです。。

 

 

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