聖女様は残業手当をご所望です【ラノベ感想】
アマゾンのあらすじより
儚げな美貌と強大な聖魔法を持つ心優しき聖女ココ・スパイス……というのはあくまで表の顔。素顔の聖女様は引退後を睨んでちまちま貯金に励む超しっかり者だった。それもそのはず、ココはもともとはストリート・チルドレン。「他人をあてにせず、自分の力で食って行く」その矜持は聖女になった今でも変わらない。教皇の威光? 王子様からのラブコール? ギャングの魔の手? どんな相手だろうが、気に喰わなければありとあらゆる手段で叩きます!
感想
ドタバタコメディが好きだったら絶対買いです! キャラの魅力と緩急をつけた台詞回しで、どのお話もテンポよく面白いです。あらすじを読んで面白そうと感じたら間違いなく買いです。良質すぎるコメディです!
作中にある主人公ココの描写は、"外見は理想的な聖女。内面は模範的な守銭奴である"です。
信仰心もないのに聖女の力を得てしまい、小銭をもらいながら聖女をするっていう実にイカしたキャラです。TPOはわきまえて聖女してますが、基本口も態度も悪いので泣く子も黙る修道院長に雷をくらうドタバタのお約束をみせてくれます。
またココはクズムーブを最初序盤でとりますが、実は聖女として仕事をしないときはしっかりしますし、根は善人なエピソードもあって愛すべき主人公です。
それから実力もあるので傍若無人な時もあります。そんなココの天敵みたいな修道院長や腹黒王子様もいます。キッチリやりすぎるとお仕置きされる構図になっていて、良くできたキャラ構成だと思います。
他の登場人物に関しても、暴走するココを押さえろって無りゃぶりに胃を痛めるお世話係(常識人)や、無茶しやがってな悪役令嬢とかどのキャラをとっても面白いってのも良いですね。
日常エピソードが1話ごとに繰り広げられる形式で、ストーリーうんぬんってよりは日常のドタバタを楽しむ作品です。そういう展開なのでマンガにしたら良い感じのコメディになりそうな気がします。マンガでも読んでみたいです。
2巻目の感想
1巻目だと1話ごとのエピソード連載ってイメージだったのが、2巻目では1冊を通してお話を追いかけるラノベらしいイメージに変わった気がしました。逃げる聖女ココ、追いかける王子セシル。副題の"王子はいらん。金をくれ"を地で行く2巻目です。
そして展開されるドタバタ劇ってのは、王子暗殺計画と物騒なやつです。そいつを聖女様が、真っ正面から殴り飛ばすんです。まさに『聖女様は残業手当をご所望です』らしら満載です。今回も楽しいコメディでした。
ココのとんでもさなは、1巻目で分かりきっていました。でも他の聖女様もあんなだとは……
壊れまくる聖女イメージ! とんでもぶりに笑ってしまいました。
そんな我が道を行きまくるココなのに修道院長のお説教は、ちゃんと何時間も正座して聞いていますし、王子様に口説かれたら思わずドキドキしたりとするんですよね。根は良い子なんでしょうね。愛らしいキャラです。
またコミカライズ計画進行中と帯に嬉しいニュースもありました。ますます次が楽しみです。
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