奴隷エルフちゃんを英雄にプロデュースします!【ラノベ感想】

2023年1月10日

奴隷エルフちゃんを英雄にプロデュースします! 崖っぷちから始める世界寿命の延ばし方
著:秋月 煌介
イラスト: 水鏡 まみず
出版:MF文庫
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アマゾンのあらすじより

全世界で不規則に現れた“黙示録の獣”と呼ばれる怪物の存在により、人類は絶滅の危機に瀕していた。獣に対抗すべく二百年間、受け継がれてきた“英雄”の力により、世界はどうにか保ち続けていた。英雄の定めにより、一か月後には死が確定している現英雄、ヒューイ。死を目前にしても尚、やる気のない彼が自らの弟子に選んだのは、か弱い美少女の奴隷エルフ、フィオだった。呆れる周囲を他所に、当のヒューイはまじめに弟子の稽古をする訳でもなく…?「あの、なんで私は膝枕をさせられているのでしょうか?」「せっかく奴隷を買ったわけだし、なんかそれっぽいことしようかなって」世界の全てを託された継承は一体どうなる!?最も無謀な英雄譚、開幕!
崖っぷちから始める世界寿命の延ばし方のシリーズ全3巻です。
カバーイラストを見ると萌え感が強いのかな?って最初は思いました。中身は人類絶滅一歩手前、がっつりシリアスで王道の英雄譚でした。非常に読み応えがあって面白かったです。

感想 

若干ネタバレをはらみますが、各巻のタイトルは以下の通りです。
『奴隷エルフちゃんを英雄にプロデュースします!』
『英雄エルフちゃんが二人の弟子を育てます!』
『偽りの英雄が英雄エルフちゃんを守ります!』
奴隷エルフちゃんが英雄になって、エルフちゃんが弟子を育てて、エルフちゃんが守られると巻ごとにメインテーマがかわります。「崖っぷちから始める世界寿命の延ばし方」の一連となるストーリーは、全編共通ながら切り口が違う3作品を楽しめ丁寧で贅沢な作品です。読んでいて各巻のタイトルの意味が分かったときは、凄い!と素直に感じてしまいました。
 
本作の世界観は、“黙示録の獣”<アロスティア>によって人類は絶滅の危機とあるようにかなりハードです。集落や一般兵のみなさんは当たり前のように悲惨な目に遭います。重たいところは好みが分かれるところかと思います。ただその絶望感が強いだけに英雄の偉大さ、英雄が人類の希望でることが強く訴えかけてもきます。
魔法(魔導)も本作の中でどうして魔法が使えるか? 人智を越えた力をハッキリできるのかが理論立てて説明されている点も一押しのポイントです。理屈がしっかりしているので英雄の戦い方と、それ以外の戦い方が明確になって戦闘が映えます。
 
1巻目で全く戦いなんて向いていない奴隷エルフが、成長していく姿や英雄との絆は感動的でした。少し前の作品とはいえ埋もれるのは勿体ないです。ぜひ読んでみてください。
 
 
 
 
 
 

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Posted by kyoikyoi