異自然世界の非常食【ラノベ感想】

2022年8月7日

異自然世界の非常食
著:青井 硝子
イラスト:マタジロウ
出版:KADOKAWAの新文芸
   510vi8juKHL._SX350_BO1,204,203,200_

アマゾンのあらすじより

【閲覧注意】ちょw珍しい食材(妖精)手に入れたったww
ある日突然、次作の小屋ごと異世界に飛ばされてしまったニートの男。
食材を求め外に出て初めて見た生物は、羽のはえた妖精だった。
「非常食」として彼女を手元に置くことにした男は、元の世界と唯一つながるインターネットを駆使し、掲示板の仲間たちの知識を借りながら異世界で生き抜くことを決意するが……。

感想

非常に個性的で中毒性がある作品でした。引きこもって田舎暮らしをしていたら家ごと異世界に飛ばされていて……とここまでは異世界ラノベっぽいんです。その先が変わっていて主人公は遭遇した妖精さんを「非常食」と名付けて喰おうとするです。異種族としてでなく食料として妖精さんをみるので生態観察なんかが自然科学の本みたいな描写です。異世界生活での行動が非常に独特です。

異世界に飛ばされながら不思議なことにネット環境だけは現世と繋がっているので、異世界の植物や妖精さんをみせて情報収集はできます。ただそれ以外のライフラインは繋がっておらず電気はソーラー、水とガスは寸断と結構なハードスタートです。田舎暮らしで慣れているからか薪を燃やしたり、単管や合板でお風呂をDIYしたりと主人公はサバイバル能力高いです。作者の実体験も入ってかサバイバル系の描写はとてもリアルになってます。土いじりをしていれば、家にあっても違和感がない製品をつかったサバイバルなのも親近感がありました。

 

妖精さんについてちょっとネタバレすると、表紙の映るのは主人公が食べるつもりで捕らえた精霊さんです。逃げられないよう羽をむしったので痛々しい姿なんです。彼女(?)とは長い付きあいになりますが、ラノベ的な交流とはなんか縁遠いです。交流相手として食料として見ているあたり妖精さんハーレムなんて展開にはならなそうです。ミツバチみたいな生態をもつ妖精さんも、ワイルドな価値観を持っていて人間と妖精さんの関係は独特な距離感をたもっています。

異世界とかのラノベ好きな方の方向性とだいぶ違いますが、異文化接触とか異世界サバイバル感が非常に強くて私は好きです。面白くて2巻目も取り寄せ中です。

 

2巻目の感想

2巻目もなんとか入手できて読みました。表紙にうつる水生生物っぽい生物が新登場です。魚に顔がついたまたも不可思議な生物です。ヒレがトカゲの尻尾のように自切できて、これが極上の刺身ネタって本作らしい味付けがされています。

2巻では1巻目以上にサブカル何でもありのごった煮になりました。唐突なSF要素や共産主義を風刺したネタが出てきたりで、ラノベではあんまりみかけない独特の世界観です。混乱と戸惑い感じつつ一気に読んでしまいました。とんでもない作品でした。

妖精さんをガチで食べようとする主人公が気にならないのであれば、オススメの個性的な作品です。

異自然世界の非常食1
異自然世界の非常食2
 
異自然世界の非常食1
異自然世界の非常食2
マタジロウ
KADOKAWA
2015-08-31
 

 

同レーベルの感想も読んでみる

KADOKAWAの新文芸の感想