レンジャー・ガール! 【ライト文芸感想】

2022年7月20日

レンジャー・ガール! 女性自衛官・小牧陽は地獄を這い進む
著:綾坂 キョウ
イラスト:四季童子
出版:富士見L文庫

 

アマゾンのあらすじより

泣いて笑って涙して。女性初レンジャーを目指す凸凹バディ、地獄の90日!
初の「女性レンジャー」に憧れる自衛官・陽<アキラ>のテンションは最高潮だった。遂にレンジャーの訓練へ参加できるのだ。
全国の隊員たちの中で8%しか存在しない、正に少数精鋭。だがそこには90日間の地獄の訓練が待っていた――。
陽はまるで鉄の女・ミズキとバディを組むことになる。諍いばかりの二人だが、ミズキにも密かな夢があった。
そんな同期や鬼教官らと共に試練に挑む中、仲間たちは次々に脱落していく。皆から思いを託され、陽はレンジャーを目指すが……!?
涙と汗と泥まみれの青春自衛隊ストーリー!

感想

自衛隊のレンジャー教育テーマにしたヒューマンドラマです。作中のほとんどがレンジャー教育課程です。もうこの内容が過酷の一言につきます。不眠不休で過酷な訓練と伝え聞きますし、テレビでもたまに密着取材されているのを見たことがあります。そんな私が知っていたイメージを覆するくらい作中は、過酷で過酷な訓練でした。
女性読者が多そうな富士見L文庫だと結構おもいきったテーマです。

主人公の陽は、まっすぐ一直線なキャラです。地声が大きくてとにかくポジティブな子です。みんなからちょっとお馬鹿かもだけど、愛されている元気キャラです。それほどポジティブだった陽も訓練後半になると弱音をはいたり悩んだりする様子が増えてきます。あの陽までこうなっちゃうのかと訓練の過酷さが、強く印象に残りました。

陽とバディを組むのは、ミズキです。いかにもクール系美女って感じの彼女は、なれ合いをきらう一匹狼風です。女性だってできるんだってのを証明しようとピリついた雰囲気を身にまとっています。陽とは完全に対照的な2人です。
それでもレンジャー教育をうける女性は、たった2人だけ。バディとして90日の訓練中、トイレ以外は、つねに一緒に行動する運命共同体なんです。

レンジャー教育ってのは、肉体的に過酷なだけじゃなくて精神的にも追い詰めてくるんですよね。文字通り鬼の教官が、徹底的に責めぬいて来ますよ。性格が真逆なバディとの交流だけじゃなく、男女の差もまた壁となってきます。そういった逆境を乗り越えていくまさにヒューマンドラマでした。

作中でも「どうしてそこまでできるか?」って第3者からの声があがるシーンがありました。私は冷めているようで真っ当な疑問でもあると感じました。でもそういう単純な損得じゃないんでしょうね。
人間的な強さってのを、見せつけられました。熱くて感動する素敵な作品でした。

 

 

レーベルの感想も読んでみる

 

富士見L文庫の感想

 

富士見L文庫

Posted by kyoikyoi