リオンクール戦記【ラノベ感想】

リオンクール戦記
著:小倉 ひろあき
イラスト:toi8
出版:ツギクルブックス

  リオンクール戦記

アマゾンのあらすじより

早逝したサラリーマンの第2の人生は
暗黒時代欧州風の異世界でした。

齢41にして病没した平凡なサラリーマン、田中正。
彼は、強烈な一撃とともに目を覚ます。
なんの因果か、異世界の伯爵家次男に転生してしまったのだ!

言葉わからず、文化は未熟。生き方は過酷。
厳しすぎる世界に、彼は立ち向かう―――!!

感想

腕っ節で戦乱の世で成り上がる戦記物です。兵を率いて頭角を現していく立身出世な物語ですね。
最大の特徴は、web投稿作の常道から外しにきているところです。ちゃんとした意味での中世ヨーロッパ風の世界観になっています。
お硬派な世界設定にひかれて読んでみました。

すると……中身は予想以上に中世でした。
入浴しない、食事は手づかみ、文字なんて読めるわけないとなんとも野蛮です。なんとなく感じたいめーじだと、西暦600-800年ぐらいの感じなのかなぁ……技術とか文化とか倫理観まで見事に中世でした。

 

そんな世界に転生した主人公は、ごくごく一般的なサラリーマンです。結婚して、ローンを背負って働くマイホームパパです。けれども不運に病没。享年41才。
そして中世風の異世界に転生という流れです。

転生した先は、伯爵家の男児であったこと。それから体格にも恵まれたというのは、ラッキーでしたね。乱世の世を生き抜くすべを身につけられています。
その反面、チート能力はなしです。前世知識もサラリーマンなだけに対したことはできません。そういった技術は持っていない代わりに中世世界では、周りが持っていない価値観。これが主人公バリアンにとって最大の武器になっていきます。

 

なんと戦記とつきながら集団戦の様子は、大声を上げて集団でぶつかる戦場なのです。というの手勢を率いた騎士の集まりで軍が構成されていて、複雑な陣組や用兵はできないんです。互いにぶつかって暴れまくるのが、戦場での魅せ場になっています。
また作中で騎士って読んでますけど、ラノベ基準では蛮族そのものです。ローマ帝国を崩壊させた蛮族っみたいに野蛮さあふれていますす。

このある種、原始的な戦争観と転生者バリアンの持つ現代的な戦争観が、かみ合って彼を英雄へと押し上げてく熱い展開になっているんでしょうね。具体的に主人公がどんなことをやったかというと……戦略的な破壊といいますか…まぁ血も涙もないやり方です。
戦争に勝利できたとしてもラノベ主人公の行動として、受け入れられない人がいるかもしれませんね。

本作の場合、日本生まれの主人公も異世界で暮らすウチにドンドンと現地に染まっていってしまうんです。その結果、敵からの盗みは当然。人命尊重? 何それとなって立派なバーバリアンへと育ってしまうのでした。
幼少期は異世界の両親に感謝と敬意を払っていた主人公も……1巻目後半ではみごとな変わりっぷりです。

どうにも中世的な倫理観に染まった主人公で、窃盗・殺人をしまくりです。加えて女性への敬意に欠けた性欲の塊みたいなキャラというのがですねぇ……。ファンタジー小説のスマートな主人公像とは、かけ離れていて苦手だって方が出てしまうような気がしてなりません。
いや中世ヨーロッパ的には、勇猛な文盲が称賛されるぐらいだから主人公バリアンの書き方のが合っているのも分かりますけど。

 

私は凝った内容の作品で好きだったりします。
主人公には対照的な兄弟がいて、戦場で名をあげるごとに兄弟の確執が浮き上がって見えてくるところとか、主人公の黒髪な容姿が現地人と同じでリオンクールの英雄と人望を集めていくところとか楽しいんですよ。年表や家系図まであるとことも嬉しいです。

 

そして1巻目で初陣を務め2巻目では、将として勲功をあげて王との謁見まで果たします。戦記物として英雄への階段を駆け上がる熱い展開……だったものの2巻目で刊行は途絶えています。
小説家になろうでは、続きが書かれています。続きが気になった場合は、そちらですね。

 

癖は強いものの特定層にはハマる作じゃないかと思います。面白かったです。

リオンクール戦記 (ツギクルブックス)
小倉 ひろあき
ツギクル
2018-10-18
 
 
 

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