永年雇用は可能でしょうか【ラノベ感想】

永年雇用は可能でしょうか 〜無愛想無口な魔法使いと始める再就職ライフ〜
著:yokuu
イラスト:烏羽 雨
出版:MFブックス

  永年雇用は可能でしょうか

アマゾンのあらすじより

新しい雇い主は(推定)300歳の偏屈オジサマ魔法使い!?

三年間住み込みで働いた屋敷を理不尽に追い出されたルシル。彼女は新しい就職先を求めてド田舎にやってきたが、そこで紹介されたのは、無口で無愛想な魔法使いフィリスの屋敷だった。
「余計なこと」を心底嫌う、気難しいフィリスの屋敷での仕事は、蓋を開けてみるとルシルにとっては好条件! 何としても新しい職場を死守するべく、彼女は「余計なこと」地雷を回避するためにフィリスの観察を始める。
そんなフィリスのことを少しずつ知っていくうちに、気難しいだけでない意外な一面に出会い、ルシルの気持ちは徐々に変化していき――。
フィリスとの距離が少しずつ縮まる一方、前の屋敷の主がなぜだか自分を捜し回っているらしいという噂を耳にするルシル。他にもフィリスの周囲では何やら魔法使いたちが騒ぎ始め……!?
平穏に暮らしたいのに何かと起こるトラブルを、仕事に対するプライドと持ち前の前向きさで乗り越えながらゆっくりとお互いの想いを育む、ほっこり異世界再就職ファンタジー。

感想

癖強イケオジと住み込みで暮らす年の差恋愛です。面白かったです。
少し前に『海辺の町で間借り暮らし』を読んで、心穏やかな年の差恋愛ものを読みたかった気持ちにピッタリでした。

 

副題にある魔法使いが表紙のイケオジ、フィリスです。イラストだと初老の紳士に見て、実際は長命で相当な爺さんです。そして伝説的な魔法使いで1巻目におこる騒動のほとんどは、彼が原因です。

ただこれはフィリスが何かをしたのではなく、フィリスを慕う魔法使いが押しかけてきたりで完全な巻き込まれ型です。だからフィリスは魔法使いから距離を置いて、ドンドン厄介な爺さんと化してきたんですね。おそらく若い頃から無口だっとは思いますが、1巻目の時点ではかなりの癖強状態でした。

 

どう癖強かというと圧倒的に口数が少ないんです。そして干渉を嫌うんです。主人公のルシルが住み込みメイドとしてやって来たときのセリフが「最も重要なことだが、余計なことをしないように」ですからね。不器用にもほどがありますよ。

読み進めているとフィリスがルシスの働きを認めたり、彼女自身を労る気持ちがあるのが分かります。決して人間嫌いであったり、ツンデレ描写とかいうんじゃないんです。不器用すぎるんですよ。ストレートにルシルに伝わらないもどかしさが楽しかったです。

 

どうみても癖強すぎるフィリスに、ルシスは首になりたくない一心で必死に表情を読んで、踏み込みすぎない距離を保って仕えます。最初はそんな風にただの雇用関係から物語は始まってます。

 

それが魔法が絡む事件や、色んな出会いを重ねるうちに恋心へと傾いていくんですよ。

 

しかも魔法が絡むエピソードも、ファンタジーだぁって思わず感じる楽しさで、そっちの方も読んでてテンションが上がります。魔法が絡むときは、だいたいルシルが巻き込まれてとばっちりを喰らってます。
そして無茶をする魔法使い連中をみていると、フィリスは相当に変わり者なのも分かりますね。

 

後半で一気に甘くなるお話でした。好みの展開だったので続きも読んでみます!

 

 

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Posted by kyoikyoi