南蛮服と火縄銃【ラノベ感想】

2023年1月10日

南蛮服と火縄銃
著:静川 龍宗
イラスト:モフ
出版:スマッシュ文庫
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アマゾンのあらすじより

大人気作品『うちのメイドは不定形』の著者が新境地に挑む、戦国異能バトル小説!
「美味なる鉄砲を馳走(ちそう)にて!」南蛮服の少女かがせが引き金を引くと、火縄銃から弾丸が飛び出した――。
時は戦国。将軍足利義輝の暗殺を防ぎたいかがせは、来日した修道士ミゲルとその従者である異能力者たちに接触した。だが、ミゲルはキリスト教の布教ではなく、異教の神々の血統である「因子もち(ティラノス)」の発現を確認しに来た巡察師であった……。彼らとの邂逅(かいこう)で、かがせは歴史を変えることはできるのか?戦国時代の日本を舞台にした歴史冒険活劇の“火蓋”が切られた!

感想

史実をベースにIFを織り交ぜたラノベっぽいストーリーです。世界には因子(ティラン)という異能力に目覚めた人々が存在して、彼らは超絶的な能力を用いて未来のために動いていて、ついに日本も巻き込まれたという世界観です。
なお表紙で火縄銃を持っている女の子は、日本人で因子は持っていません。主役的な立ち位置ですね。
未来が視える宣教師の少年、脳筋のヴァルハラ戦士、魔女っ娘、南の島の部族戦士が登場する因子持ちで登場します。挿絵のイメージも可愛らしくて、キャラは性格がブレません。設定にそったキャラ同士の会話は魅力的です。
 
そして因子持ちキャラの異能は、かなり具体的に設定されてます。魔女っ娘ではケルト神話のダーナ親族のエピソードが語られますし、ヴァルハラ戦士では北欧神話にちなんだエピソードが語られます。設定がキッチリしているのって悪いことでないのですが、本作の場合は史実・設定がストーリーへの没入感を邪魔してきます。会話や状況説明の前後で深く関わらないのに、史実に基づいたウンチクがブチこまれる場面が残念なことに目につきます……
 
総じて個々のパーツは魅力的なのに、組み合わせたら今一つ…なのが正直な感想です。
あくまでこれは、ラノベとして読んだ場合の印象です。本作は歴史に仮想キャラが入り込んで、当時の風習や世界を紹介してくれる「○○でみる足利義輝暗殺」として読むと大分印象が変わって、これはこれでアリとならないでしょうかね……ね?
 
南蛮服と火縄銃 (スマッシュ文庫)
静川 龍宗
PHP研究所
2014-08-29
 
 

 

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