オリヴィア嬢は愛されると死ぬ  【ラノベ感想】

オリヴィア嬢は愛されると死ぬ  ~ 旦那様、ちょっとこっち見すぎですわ ~
著:紺染幸
イラスト:DSマイル
出版:SQEXノベル

 oliviajo

アマゾンのあらすじより

「勝手に目がそっち(オリヴィア)に行ってしまうんだ。なんて摩訶不思議な現象だ」「恋っていうんですよ、それ」呪われた屋敷で過ごす楽しく優しく--少し寂しい愛の物語
父を亡くし破産した大商家の長女であるオリヴィア=アシェルは、残された家族のために命をなげうつ覚悟で娼館の扉を叩こうとしていたところ、身なりのいい紳士に声をかけられた。「どうせならば我が家の主人のために死んでくれませんか」と。先々代オールステット夫人が残した“主人が愛した女は死ぬ”呪い--そんな呪われた屋敷にオリヴィアは身を寄せる。この屋敷の主人クラース=オールステットに愛され、死ぬために。その報酬である金貨100枚を家族に残すために。ところが、オリヴィアの前に現れた主人クラースは……なんか思っていたよりも面白い人だった。オリヴィアはクラースに“愛される”ように、クラースはオリヴィアを”愛さない”ように、二人の愛の駆け引きが始まる。

感想

紺染幸さんの新作です。前作の心に訴えてくる作風がよすぎたので、期待値MAXで読みました。それだけの期待値を軽々と超えてくる素晴らしすぎる作品でした。涙腺が壊れるぐらい涙を誘いました。

 

まず冒頭から主人公のオリヴィアが娼館の門を叩こうとするところから始まります。そこをオールステット家の執事から金貨100枚出すからウチで死んでくれないかとリクルート。その内容はオールステット家の当主クラースと結婚し、愛されて死んでくれというものでした。

というのもオールステット家で当主が愛した1人目の女性は、命を失う呪いをかけられていたからなんです。呪いの身代わりとなって死ぬのを目的としたリクルートだったんです。前金で金貨50枚、成功報酬(!)で金貨50枚の契約となってます。
だからオリヴィアは報酬を得るため、クラースに愛されようとするお話です。タイトルの意味もこのとおりです。

 

タイトルの意味が分かると不穏すぎるし、オリヴィアが可哀想すぎます。
とんでもない衝撃で私は序盤から作品に魅了されてしましました。

 

 

私の感想をまとめるなら愛のお話だなです。登場人物はみな何らかの愛をもっています。ただ愛の形や、愛が向かう方向が人それぞれなんです。だから愛の方向がこっちに向かっていればと歯がゆく、悲しい展開が涙を誘うんですよ。

 

クラースも家の都合で犠牲にしたくないから、オリヴィアを愛さないって宣言しますよ? でもチョロくて初手からクラースは、オリヴィアを意識しまくって恋に落ちてますからね。一方、オリヴィアは家族のためにしっかり愛されて、しっかり呪いで死のうとしてますからね。
こんな愛の違いがあちこちに散りばめられていて、本作もまた感情を揺さぶってくるお話でした。

 

あとがきにあったオリヴィアの手紙なんて、もうどれだけ泣かせにくるだって内容です。

 

帯だと”少し寂しい愛の物語”ってあるけど少しじゃないよ!!
オリヴィアのプレゼント選びのシーンで形として残るものを選ばないところなんて、想像が膨らんで完泣きですよ。

 

よかったです。よすぎました。
恋愛要素があるラノベを読みたい方へ全力でオススメします。

 

 

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