死にたがり令嬢は吸血鬼に溺愛される【ラノベ感想】
死にたがり令嬢は吸血鬼に溺愛される
著:早瀬黒絵
イラスト:雲屋ゆきお
出版:GAノベル
アマゾンのあらすじより
虐げられた令嬢と高潔な吸血鬼の
異類婚姻ラブファンタジー!両親から蔑まれ、妹に婚約者まで奪われた伯爵令嬢アデル・ウェルチ。
人生に絶望を感じ、孤独に命を絶とうとするアデルだったが……
「どうせ死ぬなら、その人生、僕にくれない?」
不幸なアデルの命を救ったのは、美しき王族の吸血鬼フィーだった。
「僕、君に一目惚れしちゃったみたい」
フィーに見初められ、家を出る決意をしたアデル。
日々注がれる甘くて重い愛に戸惑いながらも、
アデルはフィーのもとで幸せを感じはじめーー。
感想
早瀬さんが書かれている『悪役の王女に転生したけど、隠しキャラが隠れてない。』の重すぎる恋愛描写が好きで、タイトルにった「溺愛」の2文字を見て飛びつきました。悪役の王女は年の差おにロリで、愛情激重な共依存と癖をエグってくる特化型作品だとすると、本作『死にたがり令嬢は吸血鬼に溺愛される』は正統派シンデレラストーリーですね。シンデレラ系は普段読んでいないので新鮮でした。
家庭内で疎外され、迫害され続けて心が折れたある日、アデルが人生を終えようとしたときに「どうせ死ぬなら、その人生僕にくれない?」と吸血鬼のフィーと出会います。一目惚れしたフィーがアデルに加護を与えて、話し相手になってくれて、アデルが欲ししていた愛を与えて満たしてくれるんですよ。
吸血鬼の習性は好きなものに執着する。しかもフィーは始祖に近く強力な吸血鬼だから、執着も激しくなると溺愛の土壌はバッチリです。
溺愛の様子もスパダリに心配されたり、甘やかされたりといった系統の愛され方です。束縛を求めるような重すぎる恋愛感情はそんなにありません。
恋愛強めの作品を求めるへ広く受け入れやすい展開なんじゃないかと思います。
物語中盤ぐらいまでは、主人公のアデルが受け身であったり、心が辛すぎて周囲に流され気味だったりするので、私が普段読む強くてかわいいヒロインとは、また違った趣でした。
その趣で印象的なのが「死にたがり」の部分です。アデルは比喩じゃなくて実力行使する大変に困った「死にたがり」です。なんでこういうのにだけ行動的なのか……。
これじゃフィーが心配で過保護になってしまうのも納得です。
後半ではさすがのアデルも決断をして新たな人生を歩はじめます。アデルとフィーの人生(吸血鬼生?)がスタートしてから溺愛部分はもっと激しくなるんでしょうかね。
もし続くのだとすれば溺愛の表現がどうなるか気になります。
同レーベルの感想も読んでみる
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません