サイレント・ウィッチ【ラノベ感想】

2023年3月19日

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと
著:依空 まつり
イラスト:藤実 なんな
出版:カドカワBOOKS
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アマゾンのあらすじより

〈沈黙の魔女〉モニカ・エヴァレット。無詠唱魔術を使える世界唯一の魔術師で、伝説の黒竜を一人で退けた若き英雄。
 だがその本性は――超がつく人見知り!? 無詠唱魔術を練習したのも人前で喋らなくて良いようにするためだった。
 才能に無自覚なまま“七賢人”に選ばれてしまったモニカは、第二王子を護衛する極秘任務を押しつけられ……?
 気弱で臆病だけど最強。引きこもり天才魔女が正体を隠し、王子に迫る悪をこっそり裁く痛快ファンタジー!

即重版で非常に評判が高かった作品なのと、私の好きなファンタジー・最強なのに人見知りのギャップ・素敵なイラストと好きな要素が満載だったので期待値MAXで読みました。いやーとっても面白かったです。話題になるのは当然ですね。

女性主人公のモニカは最強クラスの魔術師です。でも極度の人見知りで人前でまともにしゃべれないんです。だから無詠唱魔法を極めたってぶっ飛びキャラなんですよ。優秀なのに誰かに会いたくないから大好きな数字と計算や書類仕事に没頭というか、なにかしか理由をつけて1人でいようとする主人公です。

そんな人見知りに王侯貴族が通う学園へと、潜入する無慈悲なミッションが下されるんです。目立たないよう誰かから話しかけられないようにとコッソリ行動(当人基準)するわけなんですけど、目立たないわけがなくコミカルな展開になっていくのがとても楽しかったです。

その上で世界観や背景はキッチリされていて、魔法の仕組みや貴族・学園の仕組みなどを読み進めるにつれて自然に頭にはいってきます。ハイクオリティなファンタジーでした。

他に目を引いたのは、イラストの使い方です。最初にあるカラー口絵は書き込まれた美麗なイラストです。モニカが書類の場所を変えるのに魔法を使うシーンなんですけど、魔法と技術の無駄遣いをしてモニカの規格外っぷりがとても伝わったイラストです。それに対して挿絵はマンガやゲームみたいな描写が取り入れられています。主要キャラはイラスト内に名前が添えられていて分かりやすいですね。生徒会で5人登場するあたりも挿絵のおかげで、誰が誰か分かりやすかったです。
そしてもっとも見てもらいたいイラストは、要所にある魔法シーンです。10-11ページの見開きでモニカが魔法を使うシーンがあるんですけど、これぞファンタジーって幻想さとマンガ的なコマ割りがあわさって最高でした。序盤でこの作品に心をつかまれてしました。

くせ者だらけの生徒会に囲まれてモニカがどうなっていくか、続きが非常に楽しみです。王子様の動向が気になってしかたありません。問答無用で面白い作品でオススメです!

 

 2巻目の感想

前半は人見知りでビクビクしているモニカに、思わずカワイイと優しい気持ちになりっぱなしです。フェリックス王子じゃないですけど、小動物なモニカをいつまでも見ていられますね。あとがきで寄道エピソードをwebから加筆したあるとおり、学園内のエピソードが豊富です。くせ者だらけな生徒会の面々との掛け合いは、とても面白かったです。ノートンお嬢様のシーンは特にお気に入りです。
2巻では王子様のエピソードがちょっと明らかになったり、もちろん本題の護衛エピソードもあったりで変わらずの面白さです。イラストの演出も素敵でやっぱりこの作品は素晴らしいですね。ゲーマーズの特典冊子の日常エピソードもキャラの特徴が出ていて面白かったです。もし手に入れば読んでみてください。

 

3巻目の感想 

3巻目を読みました。大きくわけるとモニカの成長パートと謎のベールに包まれていた王子様パートの2本立てです。その中に魔法発動の魅せ場とか魔法学園にピッタリな乗馬にチェスのシーンとか面白いイベントが盛りだくさんです。生徒会メンバーはじめ従来の登場キャラも顔見せシーンありです。ページ分量的には、ちょっとでもそのキャラらしいシーンで印象的です。
1冊にこんなに詰め込まれててストレスなく楽しく読めるんですよね。サイレント・ウィッチってホントすごい作品です。今回も面白かったです。
最後に私が推しの偽悪役令嬢なイザベル、すげー良い仕事してた。大満足です。

 

4巻目の感想

1冊まるまる学園祭です。ほとんどの登場キャラに登場シーンがあり、掘り下げるエピソードありです。
いろんなお話を読めて圧倒的な満足感でした。数ページだけでも印象的なのも本作の魅力ですね。
 
まず冒頭50ページ目、第1章での公爵令嬢クローディアからしてインパクト大です。婚約者のニールにデレデレなところとか、以外にも兄弟にはSっ気が強いところとか魅力たっぷりです。偽悪役令嬢派の私も、意地らしい様子に大満足でした。
 
そして偽悪役令嬢イザベルのシーンもバッチリです。何の状況説明もないのに機転を効かせた対応にしびれました。
さらにその衝撃を上回る偽悪役一家登場です!  
偽悪役一家なんて一体何?? と気になった方は4巻目を読んでみてください。なんともぶっ飛んでます。
毎回楽しみにしているイラストも素晴らしかったです。ラストの挿絵の衝撃とかクローディアのあの表情とか何度も見たいイラストです。
あとマンガみたいに背景をあえて消して、登場人物だけにフォーカスしたイラストとか、豊富な表現方法が面白かったです。
 
 
学園に通い始めてモニカも着実に成長していますし、生徒会メンバーとの関係の深まりも楽しみですね。
 

5巻目の感想

4巻のあとに起きた日常回です。各話ごとにキャラを掘り下げていて、贅沢な短編集でした。
これまでの展開もそうですけど、キャラクターを大切にしているのを感じます。本編だけでは見えてこないキャラクターの背景を知れて楽しかったです。
 
こうやって各キャラのことが見えてくるとセリフがなくても、このキャラだったらこう感じるのかな? いない時こう動いているのかな?と妄想がはかどります。シリルの苦労人っぷりは、この巻でも新たな一面が見えて面白いです。どうも彼は面倒な人に好かれる運命なんでしょうかね。
 
そしてイザベルとラナの友情も素晴らしかった!あの1話だけでも大満足です。
そしてここぞというときに出てくるマクレガン先生です。これぞ良き理解者って姿で、理想の先生です。次はマクレガン先生の短編も読んでみたいです。

あ、それから各話の最初にあるイラストも必見です。ファンタジーの世界へ一気に引き込んでくれるイラストです。
いっそ冬招月のカードあたりは、グッズ展開でもしてくれませんかねぇ。全種コンプリートしますよ。

 

6巻目の感想

 
本編となる6巻目は、学園を飛び出してのお話です。これまでモニカは陰からフェリックス王子を護れだったのが、正式に横について護れとの無慈悲なお達しが下ってしまいました。顔バレと声バレしているなかでの護衛です。無茶無茶。
 
 
どうみても無茶振りだらけの中、自分から声をかけようとしたりとかモニカの精神的な成長もしっかり垣間見えました。こういう成長しているの良いなぁと感じます。モニカをいい子良い子してあげたくなりました。

この巻で特に楽しく思ったのは、次の2点です。
まずはフェリックス王子の巣が見えたところです。魔術のことが大好きで憧れである<沈黙の魔女>に自分でまとめた魔術理論を見てももらう時です。魔術を愛する少年のキラキラ表情が、まるで目に浮かんでくるぐらい楽しそうなシーンでした。
これまでは自分を抑えたクールな印象が強いキャラだけにギャップにグッときました。
 
もう1つはダドリーです。<結界の魔術師>の代役としてモニカと王子護衛のコンビを組んでます。フェリクス王子に比べると彼は真っすぐ100%。裏表のない愛すべきおバカですよね。駆け引きなんてできないからフェリックスとは、結構いい相性だったのかもしれません。
おバカだけど正義感があって努力も欠かさない。そんなダドリーを好きなってしまうような回でした。
 
 
あとこの巻でもやはり見事な演出を魅せてくれました。使い魔のネロのところです。黒いページがでてきでなんだろう?と思ったらダブルミーニングでそういうことでしたか。
こんな素敵な演出を毎回用意してくれて嬉しいです。
 
 
さて学園からでてしまったのでモニカ、フェリックス、ダドリーの3人を中心としたお話です。とはいっても主要キャラには、1-2ページの出番をしっかりいれてくれているのも嬉しいところでした。
イザベルの悪役令嬢スキルととっさの対応力は急上昇です。まさか探偵の目すら欺いてしまうとは。
 
 
 
 
 
 
 
 

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