死に戻りの悪役令嬢は、二度目の人生ですべてを幸せにしてみせる【ラノベ感想】
死に戻りの悪役令嬢は、二度目の人生ですべてを幸せにしてみせる
著:岡沢六十四/
イラスト:YOHAKU
出版:オーバーラップノベルス
アマゾンのあらすじより
才知に長けた令嬢は常識を覆す!豊富な知識と巧妙な策略を用いた国家改革譚、開幕!
魔法至上主義の国で唯一魔法が使えない公爵令嬢・エルトリーデは、金や権力を利用し悪逆非道の限りを尽くし処刑されたはずだった。
しかし、気が付くと10年前の8歳の誕生日に時間が巻き戻っており!?
前世を悔いたエルトリーデは、貴族社会から離れて生きることを決める。
魔法に頼りきりで技術力などが著しく停滞している自国ではなく、他国の発展した知識や技術を身に付けたエルトリーデは、才知に長けた聡明な女性へと成長した。
貴族社会と関わらずそのままのんびりと暮らしたいエルトリーデだったが、半ば強制的に王太子妃候補として選定に参加することとなってしまい!?
どうせ貴族社会と関わるのならば、前世で自分の策略の犠牲になった不遇の人々を今世で幸せにしてみせようと決意したエルトリーデは、知略を巡らせ行動を開始する――!
死に戻り令嬢が前世の経験と今世で得た豊富な知識で、人々を幸せにする逆行転生ファンタジー!
感想
すっごく好みな展開で楽しかったです。私がすきなやり直しものの要素詰めあわせでした。
本作の主人公エルとリーでは、しっかりと悪役令嬢でした。やらかしています。
王太子の婚約者レースでライバルを忙殺までして、正当な理由で断罪&処刑されてるんで自業自得です。そして処刑されたはずが、気がついたら8歳の頃に時間が巻き戻っていたという導入です。
前世のエルトリーデは王太子の婚約者になろうと執着していたんです。しかし二度目の人生では執着からスーと冷静になって、しっかりと反省しています。
そもそも魔法至上主義の国が舞台で、主人公は一切魔法を使えなかったにも関わらず王太子の婚約者になろうとしていたんです。その手法はワガママ悪役令嬢そのものでした。
これは魔法を使えない役立たずだって認識は誰よりもあった裏返しで、王太子の婚約者にでもならないと生まれた意味はないという焦燥感、孤独感が根底なんですよ、悲しいなあ。
そんな無理をやめたら世界が変わってみて、本当は娘思いの両親に親身になってくれる従者が身近にいる幸せな環境に気づいたんです。だからタイトルが「二度目の人生ですべてを幸せにしてみせる」になっているんです。
無理なワガママのせいで迷惑をかけてしまった人たちを幸せにすることで、贖罪の人生をすごそうって展開になっています。
主人公が善人ムーブをする明確な理由があって、行動理念にブレることがない筋が通っているのは、私好きなんですよ。
スラムの人々を救おうとしてみたり、前世では破滅させてしまった婚約者候補を危険を冒してでも救ってみたり、幸せにしたいって主人公の強い意志を感じられて面白いです。
エルトリーデは魔法を使えないだけで高スペックなんですよね。だってそうでないと悪事を働いてところで、前世で婚約者候補に残れなかったと思います。
二度目の人生は高スペックをフルに生かして、いろんな手段で幸せをバラまいてくれます。
このあたりは強い女性主人公ものの雰囲気そのまんまですね。困難に立ち向かい人生を切り開くワクワク感もあります。
そしてなんとこれらの面白い要素に加えて、勘違い・スレもののラブコメ要素まであります。わんぱくお子様ランチ並に楽しさ盛り盛りですよ。
分かりやすくいったら「おもしれー女」と王太子に今日をもたれ、王太子がエルトリーデのことを知るにつれて彼の執着が強まっていく展開です。
二度目の人生じゃエルトリーデは王太子と結婚して王女になんて、全くなりたくないんですよね。むしろ王都は魔法至上主義の偏見が強いから近寄りたくもない、とっとと領地に帰りたいだったりします。
貴族令嬢の義務を果たしたらすぐに帰りたいエルトリーデと、ある思惑があってエルトリーデを帰したくない王太子。王太子の婚約者レースは2巻目に持ち越しでスレ違い要素もまた、とっても楽しいです。
しかしなあエルトリーデは二度目の人生ってことで覚悟ができているせいなのか、もっと自分を大事にして欲しいですねえ。あんなに娘思いなご両親もそうですし、王太子もあまりの無謀にドン引きしてましたよ。二度目の人生で幸せは、あなたも入っているんだよとは声を大にしていいたいです。
普段令嬢ものの作品をあまり読まない方にこそオススメしたい作品です。面白かったです。
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