領民0人スタートの辺境領主様【ラノベ感想】

2024年11月13日

領民0人スタートの辺境領主様
著:風楼
イラスト:キンタ
出版:アース・スターノベル

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アマゾンのあらすじより

戦争で、孤児から救国の英雄に成ったディアス。
だが、彼が拝領した広大な草原には領民がおらず、住む家も無く、食料すら無い。
その誰一人いないはずの草原で、ディアスは少女アルナーに出会う。
彼女の額には、青く輝く“角”が生えていて!?
>果たしてディアスは領主としてやっていけるのか?
何もない草原で、どうやって生活するのか?

生きていくことは出来るのか???

剣と魔法の世界。

前途多難な新米領主の日々が始まる!

感想

なろう作品ながら転成しない異世界ものです。
文字通り何もない大草原の中から村作りで、徐々に村が豊かになっていく様は、読んでいて楽しいです。

特筆すべきは主要人物がみな、好感を抱く人物であるところです。
中でも主人公のディアスは、「人のためになれ」との親の遺言を30歳を過ぎても守り続ける信念の強さ。そして「細かいことは出来ない。力一杯でなんとかする」と愛すべきバカのポジションなんです。

人間離れした強さで、チート主人公ばりの戦闘力とあさって方向の思考をしているのに、嫌みがないんです。ディアスなら本心でそう思っているんだろうと思えます。
 

ヒロインのアルナーも強くて可愛いだけでなく、ディアスを思う気持ちがいじらしいです。単身ではクリアできない試練を仲間たちが、サポートしてクリアしていくのはテンポ良く気持ちがいいです。

主人公をチヤホヤしまくるとかハーレム展開だとか、そういったのが苦手な方にもオススメです。読んでいて家族とか人のつながりの暖かさを感じる作品です。

 

2 – 4巻目の感想

2巻目以降では、徐々に村民が増えていきます。ちびっ子のセナイとアイハンが来てからは、ディアスとアルナーの家庭に子どもができたみたいで、よりホッコりします。また近隣の都市との交流も増えてそれに伴いやっかいごとも舞い込みます。戦闘シーンが発生しても、本作のこれまでの雰囲気を崩さないようまとめられて、安心してオススメできます。
 
 

5巻目の感想

新たな領民をさらにむかえ、これまでとは違った村の方向性が見えてくる巻です。またモンスター襲来も後半にありますが、5巻だとそれよりもっと強大な冬の到来が脅威です。初めての土地で越冬する大変さや、それ備えての支度にページがさかれています。洗浄魔法やら保温魔法みたいなキャントリップが登場しない作品なので、薪を集め冬衣装を整える当たり前の行動が土地に暮らす様子が強く伝わってきます。この土地を開いている感がたまりませんでした!
 
 

6巻目の感想

6巻目は表紙でアルナーに留まる鷹が住民としてやってきます。これで鷹狩りが出来るようになりました!
周辺地域との関係も落ち着いて拡張する?という段階なのでしょうが、繁栄よりも日常の幸せを追いかける本作ならではの展開です。たんたんとした生活の積み重ねが今回も素敵でした。
冬ごもり中の会話イベントでディアスの昔話が来るってのも、昔話を聞いているような感じで楽しかったです。

 

 7巻目の感想

冬が明けて隣領へまで家族旅行です。そのついでに家畜を買って帰ってくるまでのお話です。こう書いてしまうとほとんど何もしてないように見えるかもしれません。でも本作は生活の描写が丁寧で遊牧生活とか開拓初期の感じがとてもよく感じられるんです。キャラが生活しているんだってのを感じさせてくれます。スローライフの作品が好きな身には、最高の展開でした。
新キャラも何名か登場しました。私の中だと圧倒的なまでのネハ回ですね。あぁまで圧倒的なママ感を持つキャラは初めてです。インパクト特大です。また出てくれるのかな。

 

8巻目の感想

この巻でも新たな移住者たちが、ディアスを慕ってやってきます。
辺境にディアスを愛する人たちが、損得抜きで集まってくるこの感じこそ『領民0人スタートの辺境領主様』ですね。そして一芸に秀でた優秀な人たちが集まり、さらにメーアバダル領を発展させていく好循環です。

それから8巻目は、対人戦もあります。ディアスの規格外っぷりが、とてもわかる戦場風景でした。
加えてやきもちアルナーの顔まで見られて……今回も楽しかったです。

 

11巻目の感想

新しい出会いでゴブリン族が登場しました。ドワーフとかエルフがいてファンタジー世界ならゴブリンは欠かせませんよね。
はるばると無人の荒野を踏破してイルク村までやってきてくれました。またも好戦的な部族との縁を深めてますね。作中でディアスに対してそんな戦力集めてどうする?ってありましたけど、実際にディアスの武勇とイルク村の戦力をあわせたら帝国ともガチ喧嘩できちゃいそうな……

そしてイルク村の発展につい目がいってしまいますが、セナイとアイハンの成長を見守れるシーンが9巻目はあって温かい気持ちになれますね。いちおうディアスは貴族。だから2人は貴族令嬢なんでした。それでダレルさんから貴族の作法を教わって、挨拶しているセナイとアイハンの挿絵がありまして最高の一枚でした。

 

そうそうそれからゾルグ、「今までが異常だっただけでドラゴンなんてそう簡単に現れるもんでもないからな、そんなことまず無いと思うが――」の発言はふりでしかないですよね。アクアドラゴンの話をふっておいてこの発言は狙いすぎじゃないかな。ゾルグはフラグ建築士か? そういう展開もある9巻目です。

 

12巻目の感想ディアスと

まったくデートとか子作りとか夫婦っぽいシーンがなかったんで忘れがちですけど、ディアスとアルナーは夫婦なんですよね。ふたりの仲をふかめようとイルク村のおばさまは色々がんばったんでしょうね。
それでもこうなのがディアスで、こうなのでも満足できるのがアルナーなんだろうなあ。

気づき倒れた野良メーラを保護したり、船が完成したり、神様が現れたり、メーアが空を飛んだりと色んなことがありました。
イルク村は平穏なようで相変わらずイベントだらけです。神様ってこの土地とどういう関係があったんでしょうね??

ディアスを始めイルク村の戦力は突き抜けているんで、ちょっとやそっとの外敵じゃ安心してみていられます。
あるとしたら卑劣にも子どもに手を出して、ディアスの怒りを呼んでしまわないかくらいかなあ。

 

12巻目は帝国のシーンも一瞬ありました。あのキャラ獣人…どう動くのか。心情的には獣人が過ごしやすいメーアバダル領に来ればいいのにと感じるところです。できればディアスたちとは戦って欲しくないですね。

 

今回の領地発展も面白かったです。

 

領民0人スタートの辺境領主様 蒼角の乙女 ライトノベル 1-6巻セット
キンタ
アース・スターエンターテイメント
2021-07-15
 
 
 
 

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