傍観者の恋 【ラノベ感想】

傍観者の恋
著:ナツ
イラスト:あき
出版:フェアリーキス

  bystander

アマゾンのあらすじより

この気持ちは友情でも償いでもない。まぎれもなく恋だ。

かけがえのない友情と罪悪感をはらんだ、両片思いの契約結婚。
「小説家になろう」不朽のラブストーリー、大増量ページ&新エピソード、キャラを加筆。後日談も書き下ろして、待望の書籍化!

レイチェルは、病弱な大親友アリシアのそばにいるために、そして何より片思いをしている彼女の弟、ノアと別れたくないために、ノアにかりそめの結婚を持ちかける。ノアが姉、アリシアに密かに想いを寄せていることを知りながら。
友情と嘘と罪悪感に満ちた3人の生活。契約結婚で手に入れたのは、目のくらむような幸せと消えることのない胸の痛み……。
しかし次第にノアの一見、愛情に満ちた言葉と態度にレイチェルの心は激しく揺れて……
「君は俺の妻だ。かりそめだろうが何だろうが、俺の一番大事な人だ」罪悪感と共に嘘を吐き、すれ違う。抗えない恋情を募らせる二人の恋は――!?

「君が倒れたと聞いて、息が止まるかと思った。同情でも友情でもいい。少しでも俺を思ってくれるなら、そばにいることを許して欲しい」

感想

ずっとつづくボタンの掛け違い、どっちかがあと一歩踏み出せば違うのに……

みごとな両片思いで、ラストがずっと気になりっぱなしでした。そしてラストには泣きまくりました。
自宅でじっくり読んでください。こんなの泣くしかありません。

 

 

主人公はレイチェル、表紙真ん中のかわいらしい女の子です。
そして両サイドはノアとアリシアは、幼馴染みの超絶美形兄弟です。

それでレイチェルは、ノアに恋心をよせているんですよ。一方のノアはというと実の姉を強く慕っていて、レイチェルは実らぬ恋に身を焦がしていたのでした。

で叶わないと我慢をしていた矢先、形だけとはいえ愛していたノアと契約結婚できる機会が!
そこでレイチェルは踏み込んで、最愛の人との契約結婚が始まるお話です。

 

好きな人と一緒に過ごせるのは幸せでしょうね。側にいて姿をみて声を聞けるんですから。
ただあくまで同居人であって、本当の夫婦ではないから思いが通じることはありません。そういった意味では地獄でもあると思います。
中途半端に幸せを味わって、やってくる片思いの辛さがみていて、心に突き刺さりました。

 

また辛いのとしてノアが心を寄せるアリシアは、レイチェルの大親友でもあるんです。彼女からしてみたらノアとアリシアは、理想の超絶美形兄弟です。どちらへも愛情を感じていて、嫉妬することもできないんです。怒りのやり場がないのは辛いですよ。

加えてアリシアはあとどれだけ生きていられるか、というレベルの病弱な身という難しさがあります。レイチェルは自分がアリシアのために、なんでもしてあげたいと思うように、ノアもアリシアに同じように思っているんだろうと考えちゃうんですよ。
あー感情のスレ違いです。「ノアが好き」のひとことさえあれば!

 

この作品は基本的にレイチェルの一人称ですすんでいきます。そのためノアの内心は、なかなかハッキリと分かりません。
ノアはレイチェルに好意を寄せているはずなのに、なんでそんな態度なの?とモヤモヤで片思いの辛さが増すばかりです。いやー感情をえぐってくる展開です。

ノアがどうしてそんな態度を取っていたかは、どうぞ読んで確かめてみてください。

 

そしてラストについては触れないとなりません。

ラストは泣きます。比喩じゃなくて涙を流して泣けます。
あれはズルい。わかっていたって泣いてしまいます。両片思いと病弱な親友、アリシアとの関係があったこそからのラストでして、ずーっと揺さぶられてきた感情がいっきにノックダウンさせられました。

 

両片思いの名作だと思います。泣ける恋愛小説を読みたいときは是非!!

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