王空騎士団と救国の少女 【ラノベ感想】

2024年3月24日

王空騎士団と救国の少女 世界最速の飛翔能力者アイリス
著:守雨
イラスト:ox
出版:アース・スターノベル

  王空騎士団と救国の少女

アマゾンのあらすじより

「空を飛ぶって、なんて楽しいの!!」
自由に、陽気に、爽快に、空飛ぶ少女のスカイハイファンタジー、堂々開幕!

「フェザー」と呼ばれる板に乗って空を飛ぶ飛翔能力者の集団、王空騎士団。
彼らは春と秋に飛来する巨大鳥“ダリオン”から王国を守る、国民の憧れの的であった。
騎士団員の飛ぶ姿を見て、貧しい平民の少女アイリスは自分も自由に空を飛んでみたいと夢見ていた。
しかし、飛翔能力は男性の1万人に1人の確率で目覚めるもの。ただの夢で終わる
──はずだったが、彼女はひょんなことから飛翔能力が開花した。

感想

700年ぶりに空を飛ぶ能力に目覚めた少女アイリスの物語です。まるで聖女の再来みたいに飛翔能力に優れ、楽しそうに大空を翔る姿はまるで少年マンガのようなワクワク感でした。

 

ごく一部の能力者だけが空を飛べて、彼らは王国に飛来する巨大な渡り鳥から国民を護る騎士となる世界です。そして空を飛べるのは男性だけ。
女性で飛べたのは700年前の聖女ただひとりだけ、という世界で主人公は飛行能力に目覚めます。

 

子供の頃に断念した空を舞う夢。その夢が叶ったアイリスは、大空をそれはそれは楽しそうに舞うんですよ。空に魅入られてしまい飛べない生活なんて、きっと考えられないんだろうなって伝わってきます。

そんな空を飛ぶことの楽しさと魅力を、たっぷりと読ませてくれる作品でした。

 

やはりアイリスの飛翔能力がズバ抜けていて、飛ぶことの自信もたっぷりなので読んでいて気持ちいいです。まさに主人公は別格なんだよって爽快感がありました。

 

伝説の聖女再来だとアイリスへの求婚する貴族は、これからたくさん出てきそうですね。果たしてお互いに意識している同級生と恋を実らせるのか、それとも一途な従兄弟と結ばれるのか。恋も冒険もこの先が楽しみです。2巻目もアーススターさん出してくださいね!
個人的には口下手で職人気質、天才肌な従兄弟くんを推してます。

 

2巻目の感想

2巻目完結にふさわしく目まぐるしい怒濤の展開続きです。次が気になって読む手を止められませんでした。

 

巨大鳥を誘導するためにデコイ役として、初飛行に挑むアイリス。

伝説の聖女再来とアイリスが有名になるにつれ外部からの干渉が入り、覇権国家の王子から嬉しくないラブコールを受けたり、それから逃れるために教会の庇護を求めたりと、アイリスはただ自由に大空を飛び回りたいだけなのに、巻き込まれままならない展開へとなっていきます。

加えて貴族のサイモンと幼なじみの従兄弟オリバーとアイリスの恋模様は、いったいどんな結末を迎えるのか?

1巻目で気になっていた内容もふまえてイベント盛りだくさんでした。
個人的に離れて暮らしているオリバーが、アイリスのために自らの知識と好奇心を生かすエピソードが好きだったなー。分かりやすくイケメンなサイモンとまた違った魅力です。

 

で最後に2巻目表紙にある白首の巨大鳥とアイリスの関係ですね。どうして仲良く並んで飛んでいるの?が最初の疑問です。

この疑問は作品世界に大きく関わる部分です。1巻目から謎であったなぜ巨大鳥は渡ってくるのか? なぜ伝説の聖女は巨大鳥を倒してしまうと国が滅ぶといったのか?
こららの謎と密接に絡んでいます。歴史・伝承と巨大鳥の生態が一本のキレイな線でつながるラストは、感動的でとても面白かったです。よかったですよ。

 

 

あと本作もそうなんですが、守雨さんの作品は女性が主人公で、その主人公の行動に共通するテーマを私は感じています。

作中に”女性の力は弱い。立場も弱い。でもね、頭を使って自分や大切な人をまもることはできるの”という発言があります。

まさにこれなんですよ。

資質や才能、たゆまぬ訓練で秀でた能力であっても、女性というだけで外からの干渉で自分がいきたい道を曲げられてしまうんです。それを自らの意思で進む道を選んで開拓していく様子が、爽快感や達成感を感じられてとても好きです。
あとこれを達成する女性主人公が魅力的なキャラばかりなのもありますね。

 

 

本作もとても面白かったです。読まれるときは是非2巻目まで通しでいってみてください。

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