サイコな黒幕の義姉ちゃん 【ラノベ感想】

2025年2月12日

サイコな黒幕の義姉ちゃん
著:59
イラスト:カズアキ
出版:レジーナブックス

  サイコな黒幕の義姉ちゃん

アマゾンのあらすじより

公爵家嫡男クリストフの〝誕生日プレゼント〟として引き取られたシャルロッテ。
彼女は義弟のクリストフと顔を合わせた日に気がついた。『ここ、乙女ゲームの世界では?』と。
前世の記憶によるとクリストフは、幼い頃から誰からも愛を受けずに育ったせいか、
後にゲーム内では歪んだ恋情から殺人を繰り返すサイコパス野郎となってしまう。
しかしシャルロッテは思った。
『私の愛で大満足! な感じになれば、変な事件を起こして日常を壊したりしない、はず』
可愛い義弟を殺人鬼にしないために頑張る、ちょっと鈍感な義姉ちゃんの物語。

感想

タイトルとあらすじで買いました。期待していたとおりの展開で大満足です。

サイコな弟を鈍感なお姉ちゃんが、愛を持ってサイコにならないようがんばる物語です。
倫理ってストッパーのない弟に愛を注いで、愛を教えてしまったらどう育つか? つい期待してしまいますよね。

1巻目は序章なのか幼少と思えない弟がみせるサイコの片鱗と、お姉様とだんだんベッタリとなっていく様子が描かれています。まさに望んでいた展開で次巻以降で弟が覚醒するのに期待してます!

いやあ階下の声で弟が主人公と一緒にいるときは怖くないと耳にするシーンなんて、弟の成長を感じられて嬉しいですね。

 

そこに加えて乙女ゲー転生のわりに舞台がハードモードなのも面白かったです。

主人公が義姉ちゃんとなっているのは、弟が弟を欲しいといってプレゼントされたからなんです。で脈絡なく没落して孤児院にいた主人公は公爵家に連れていかれ、義姉ちゃんになったところから物語スタートです。

公爵家の家中にしてみればポッと出の庶民が、急にお嬢様としてあらわれた形です。だからメイドや使用人に主人公は、なかなか受け入れてもらえません。そして現代人がもつ身分感覚の違いを徹底的に違うんだとみせてくれます。
主人公が行動して失敗し、それをいかしてまた行動し自分の居場所をつくっていく、主人公のたくましさはカッコよかったです。

主人公と度々ぶつかる家令もプロ精神を感じるキャラでよかったなあ。

 

2巻目の感想

弟くんのヤンデレっぷりが大暴れの2巻目でした。いいぞいいぞ!
しかも弟くんときたら自分ファーストで、大好きなお姉ちゃんを囲い込む鳥かご系です。

安全のためと称して姉の居場所が24時間わかる魔道具を姉に身につけさせるし、姉の元にきた社交の手紙は片っ端から焼いてしまうし、一気にヤンデレが開花しましたね。とっても愛が重いし一方的です。

弟くんにもお姉ちゃんが悲しそうな顔をするから手心を加える一面もありました。しかし私は弟くんの本質は自分ファーストで「自分の気持ち > お姉ちゃんの気持ち」だと思うんですよね。
なにしろ姉が外出しないよう手紙を燃やしたり、泣いたりしてお姉ちゃんの行動をコントロールしようとしていますから。
かなりの束縛気質で自分ファーストなんじゃないかと感じます。

それこそ今はまだお子ちゃまで権力がないから自重しているだけ、公爵を継いで止める人がいなくなったら、お姉ちゃんを拉致監禁して幸せの鳥かごをつくっちゃいそうな気がしています。

 

そう思いたくなる条件がそろっていて、なんと公爵家は由緒正しく愛が重い家計で、伴侶に執着してしまうのが社交界で有名ってのは中々なんでは?

たしかに公爵パパもママ溺愛です。とはいうものの精々、いつまでたっても熱々な愛妻家レベルです。
大好きなおねえちゃんを手元に囲うためなら、犯罪上等な弟くんとは執着の度合いが段違いです。

さらに弟くんは自分が異常であることを自覚しています。普通の子どものフリをする高い知性まで身につけているんですよ。目的を隠して優等生を演じ通せてしまうサイコさんなんですよです。
彼は止まらないだろうなあ……

 

ずっとお姉ちゃんは弟くんがサイコにならないようがんばってます。
なんですけどね、どう見ても天才な弟くんの手のひらの上なんですよ。いくつかパパの協力で弟くんには秘密で、自由な時間を過ごせていても3巻目できっとバレちゃうんだろうなあ。バレるよなあ……

 

弟くんは乙女ゲームだとヒロインと出会う学園に通い始めています。この先、乙女ゲーヒロインは登場するのか? とっても気になります。

 

 

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