悪役令嬢、宇宙を駆ける 二度目の人生では宇宙艦隊を率いて星間戦争を勝利に導きます【ラノベ感想】

悪役令嬢、宇宙を駆ける 二度目の人生では宇宙艦隊を率いて星間戦争を勝利に導きます
著:甘味亭 太丸
イラスト:ヨシモト
出版:ドラゴンノベルス

  uchukantai

アマゾンのあらすじより

人類敗北を招いた艦隊提督が死に戻り――最強の提督令嬢誕生!

「異星人に勝つ? 地球へ生還する? 全部、やってやろうじゃない!」

異星人との戦争に敗北した宇宙艦隊提督のリリアンは、十八歳の少女に戻っていた。
前回は己の失態により負けた。次は勝って凄惨な未来を変える――!!

そんな彼女の目前に迫るのは、士官学校の演習中に起こる宇宙戦艦の漂流と、異星人からの襲撃(ファーストコンタクト)。
リリアンは培った戦術眼と未来の知識で実戦経験のない生徒をまとめ上げ、たった一隻の戦艦で異星人艦隊に立ち向かう。
後に奇跡と呼ばれる活躍は、人類存続の未来へと繋がっていく――。

感想

さあSFです。2025年はSFの時代です(願望)

しかも提督として宇宙戦艦を導くガチ目なSFであり、やり直し令嬢ものでもありました。すごく読みやすくて面白かったです。

たった1艦で銀河の果てから地球を目指す展開は燃えますよね。しかもその艦は武装ばっちりな宇宙戦艦だけれども、乗っているのは経験浅い訓練学生だけ。
未知の敵からの襲撃をくぐり抜けて帰還を目指す……はい、こんなの楽しいにきまっています。SFすきなら買いですよ、買い。

 

悪役令嬢要素のやり直しは、すごくいい味をだしていました。

たしかに最初の人生で、将来とそこで起きた失敗の数々を経験しているのは強いですね。先を知っているからこそ次は失敗しないよう手を打って、破滅の危機を回避するハラハラドキドキがたまりませんでした。

それから一度目の人生で主人公のリリアンは、とんでもないやらかしをしてしまいその後は窓際で人生を終えたのですが、二度目人生では誰かの役に立つことができ友情や信頼を得られるのもよかったですね。
未来の天才軍師ステラとの絆は、一生の繋がりになりそうな気がします。

一度目の人生でステラにあそこまでのことした以上、せめてやりおした二度目ぐらいは誠実にいきたいですよ。
本当であればいっしょに戦えなかった優秀な仲間たちと、ともに戦い抜いていくのは熱すぎます。成長が楽しみでしょうがありません。

 

そして特にこの作品で推したいのが、集団を描いていることです。宇宙戦艦は提督一人で動かすのでなく、何百人もの乗組員がいて分担して運用しているですよ。
色んな分野のプロが集まって戦艦が動いている描写はたまりませんでした。ヴェルトールなんてかっこよくて、いかにも頼れるリーダーですわ。
キャラが多くなりがちなところ、うまい見せ方だなあと感じます。

 

あと他の方の感想を聴いて、そのとおりだと思った点として経験と成長の書き方ですね。

 

ゲーム世界でないので目に見えるスキルもレベルは存在しません。しかし経験は存在します。

1巻目では宇宙戦艦1隻の個艦戦闘シーンで、主人公たちに実戦経験を積むことができました。それも1対1の戦闘を経て、1対少数へと徐々に戦場が複雑になっていってるんですよね。
きっと2巻目では少数対少数、少数対多数と戦場の複雑さと困難さがステップアップしていくんじゃないかと楽しみにしています。

 

人生やりなおしものの人との縁と、SF的な宇宙戦艦バトルの爽快感のどちらもが楽しい作品でした。

 

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