野生の聖女は料理がしたい【ラノベ感想】

2023年1月10日

野生の聖女は料理がしたい!
著:枝豆 ずん
イラスト:つくぐ
出版:ヒーロー文庫
 9784074369508

アマゾンのあらすじより

異世界転生した少女が森の中でサバイバルクッキング! ? 料理人を目指し、魔王と力を合わせて常識破りの魔法の料理を作り出す!
料理人の「私」は、夢であった自分の店を開く直前、通り魔に刺されて命を落とした。
次に目を覚ましたとき、そこは異世界で、なぜか小さな少女になっていた。
しかし、前世のことをわずかに思い出したのもつかの間、乗っていた馬車が盗賊に襲われてしまう。
運よく不思議な狼に助けられて一命をとりとめたが、前世の記憶は取り戻したものの、ここはどこで、この世界の自分が何者なのかもわからない。
ひとまず狼とともに森の中で暮らすことになった「私」は、狼が持ってきてくれた生肉を見て生肉を見て強く思った――料理がしたい、と。
聖なる炎でベーコンを炙ったり、洞窟で死にかけていた男を助け、彼が仕留めた魔獣で焼き肉パーティーをしたり。
異世界の森の中、破天荒な少女のとんでもサバイバルクッキングが繰り広げられる!

感想

異世界で日本料理を再現してスゲーできるお気軽で、息抜きをしようと思って読みました。開始早々に神獣の加護をえたり、デタラメに強い魔法使いに国宝級の技術をいかした調理道具を作ってもらったりと、お馴染みで安心の展開がありました。ところがお気軽オンリーでなくガッツリとしたファンタジー要素も織り込まれていました。世界を救う代々の聖女の歴史や設定があったり、主人公の周囲には人間じゃない生き物が多数登場します。魔法生物がもつ生物への感覚と人間がもつ感情のスレ違いとか、ファンタジーだ!って要素があって読み応えがあります。

主人公は現代で調理師をしていて、自分の店を持つぞと夢見ていたら刺されてしまい、気がついたら異世界で目覚めます。料理のことになると目の色が変わって、それ以外を考えられなくなるお馴染みで安心の主人公ですね。料理関係の場面はゆるくて異世界料理作品っぽい雰囲気です。主人公が発する「この世界、おいしい」ってセリフは、料理を中心に考えているんだなってのを感じる箇所でした。

対してファンタジー的に重めの展開の時もあって、全くゆるくない場面も多数です。事実、作中で主人公が「異世界に来てもまた刺された」的な発言がでるほどです。斬った張った暴力的な場面あり、呪いが飛ぶ場面がありとシリアスが巻の後半では多めです。

異世界での料理ってゆるさと、異世界ファンタジーの重さが両立した個性的な作品です。悪くはないんですが2巻で打ち切りです。2巻のラストも主人公が自発的に聖女らしいことをするぞ、ってあたりで終わっていて消化不良です。続きはwebでとなり、なろうで読むことができます。

 
 

 

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